サウジアラビアの国営航空会社であるサウディアは、2026年5月24日、フランスのトゥールーズにあるエアバスの施設にて引き渡し式典を実施し、同社初となるエアバスA321XLR型機を受領しました。超長距離の単通路機である同型機が中東の航空会社に納入されるのは、今回が初となります。

今回受領したA321XLR(機体記号:HZ-ASBA)の最大の特徴は、乗客の快適性を重視したプレミアム感の強い客室仕様にあります。総座席数は144席にゆったりと抑えられており、ビジネスクラス24席、エコノミークラス120席という構成を採用しています。
ビジネスクラスには、全席が通路へ直接アクセス可能な1-1配列のフルフラットシート(Thompson Aero Seating社製「VantageSOLO」)が導入されました。これは、現在就航しているA321XLRの中で最大規模のビジネスクラスキャビンとなります。また、全席に13インチのモニターや充電ポートが完備され、高速インターネット接続も提供されるなど、ナローボディ機でありながら大型機に匹敵する居住性を実現しています。
最大8,700km(4,700海里)の航続距離を持ち、最大約11時間の飛行が可能なA321XLRの導入により、サウディアは需要規模が中程度の長距離路線を、より高い経済性で運航できるようになります。同機は、6月3日のジェッダ発マドリード線で商業運航を開始する予定です。今後はサウジアラビアを拠点として、バルセロナ、ブリュッセル、ミラノ、ローマなどのヨーロッパ主要都市をはじめ、ダカールやモルディブといったアフリカ・南アジアの目的地への投入が計画されています。
サウディアは2027年末までに、今回受領した初号機を含む計15機のA321XLRを順次導入する予定です。この最新鋭機の受領は、サウジアラビアが掲げる国家戦略「ビジョン2030」を後押しする取り組みの一環でもあります。2027年のAFCアジアカップや2030年の国際博覧会(エキスポ)、そして2034年のFIFAワールドカップといった国内での大規模イベントを見据え、世界中とサウジアラビアを結ぶネットワークの強化と航空需要の拡大に備えています。Photo : Saudia




