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カンタス航空の最長22時間のフライトを実現するA350-1000ULRのデリバリーが遅延へ

 カンタス航空が超長距離路線計画「プロジェクト・サンライズ」向けに導入を予定しているエアバスA350-1000ULRについて、初号機の引き渡しが当初の予定から約4ヶ月遅れとなる2027年4月にずれ込むことが明らかになりました。オーストラリアの通信社「NewsWire」などが報じています。

 今回の遅延の背景には、エアバスのA350プログラム全体に波及しているサプライチェーンの問題に加え、同機に搭載される追加燃料タンクの欧州当局からの承認プロセスの長期化が影響しているとみられています。

 しかし、この遅延が「プロジェクト・サンライズ」の全体スケジュールに与える致命的な影響は避けられそうです。初号機の納入こそ2027年4月にシフトしたものの、それに続く4機は立て続けに納入される見込みで、2027年11月までには当初のデリバリースケジュールに追いつく見通しです。

 カンタス航空が受領する初期導入の12機のA350-1000は、超長距離飛行に対応するため追加燃料タンクを備え、最大離陸重量が引き上げられています。特筆すべきは、その座席仕様です。ファーストクラス6席、ビジネスクラス52席、プレミアムエコノミー40席、エコノミー140席の計238席というプレミアム仕様となっており、機内には乗客がストレッチなどを行える「ウェルネスゾーン」も設けられます。

 ここで興味深いのは、現在日本航空(JAL)が国際線主力機として運航しているA350-1000(239席)と、総座席数がわずか「1席」しか違わないという点です。20時間超のフライトを前提としたカンタス航空と、中〜長距離の欧米線が主力のJALとでは路線の性質が異なります。しかし、両社ともに「客室の抜本的な居住性向上」と、「機体重量の軽減による航続距離の最大化・燃費効率の向上」という最適解を追求した結果、「238〜239席」という極めて近い座席数に行き着いたのは、近年のプレミアム需要の高まりを象徴していると考えられます。

 ライバルとなるボーイング777Xの開発が難航を極める中、エアバスのサプライチェーン問題による4ヶ月の遅延は、航空業界全体の動向から見れば「想定内の誤差」と言えるかもしれません。2027年、カンタス航空が世界の航空史に新たな1ページを刻む瞬間に、引き続き注目が集まります。Photo : Qantas Airways

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