スイス・インターナショナル・エアラインズは、保有するエアバスA220-100型機の一部を解体し、回収した部品を主力機であるA220-300型機の運航維持に充てる方針を固めました。機齢が10年未満の次世代機が解体されるという異例の事態は、航空業界全体を悩ませているエンジンサプライチェーン問題の深刻さを物語っています。
今回の決断の背景には、A220シリーズに搭載されているプラット&ホイットニー(P&W)製「PW1500G」GTFエンジンの不具合などの問題があります。同エンジンの不具合は、基本的に部品の交換で解決が望めますが、世界的規模での部品調達の遅れにより、同社ではピーク時に10機以上のA220が地上駐機を余儀なくされる事態が発生していました。運航スケジュールの維持と収益性の確保が急務となる中、一部の機体を事実上のドナーとして犠牲にし、フリート全体の稼働率を引き上げるという苦渋の対策に踏み切りました。
現在、同社が保有する9機のA220-100のうち、「HB-JBD」および「HB-JBC」の2機が解体の対象として保管状態に置かれています。これらの機体から取り外されたエンジンや各種コンポーネントは、座席あたりのコスト効率が高く路線の収益基盤を支える大型のA220-300へと移植されています。中古市場においてより小型のA220-100は需要が限定的であり、他社への売却やリース転用が困難であることも、自社内での部品取りという選択を後押しした要因とみられます。
同社は、同機がボンバルディアCS100と呼ばれていた開発初期からのローンチカスタマーであり、短距離の高需要路線を中心に同機を運用してきました。しかし、対象となるA220-100の平均機齢は9.1年と、一般的な航空機の耐用年数の3分の1程度しか経過していません。期待を集めて導入された次世代機が本来の寿命を全うすることなく解体される結末は、同機のローンチカスタマーにとって極めて皮肉な事態と言えます。
同社は今後少なくとも2年間にわたり、すでに地上保管されているA220-100からの部品転用を継続し、A220-300の運航体制を死守する方針です。残存するA220-100の最終的な処遇は依然として不透明ですが、燃油高騰や経済環境の変動が続く中、経営の最適化を目指す同社の機材計画において、同モデルが事実上の退役へと向かっていることが浮き彫りとなっています。Photo : SWISS
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