アラスカ航空(ワンワールド)と大韓航空(スカイチーム)が、米国運輸省(DOT)に対し、両社間のコードシェア協定を大幅に拡大するための共同申請を提出したことが明らかになりました。これまでの片務的な提携から、双方向のコードシェアへと格上げする内容であり、シアトルを舞台とした北米とアジアを結ぶ路線の競争環境に大きな一石を投じることになります。
今回の申請によりますと、両社は既存の協定を補完し、アラスカ航空の便名を大韓航空が運航するソウル/仁川発着のアジア主要路線に付与することを目指しています。対象となるのは、バンコク、シンガポール、ハノイ、ホーチミン、釜山、デリーの計6都市です。これまで大韓航空は、アラスカ航空およびその傘下のホライゾン航空が運航する米国内線に自社便名を付与する形で、シアトル以遠の米国内ネットワークを補完してきました。今回の申請が認可されれば、アラスカ航空側も自社のハブであるシアトルから仁川を経由し、東南アジアやインドの主要都市へ向かうワンストップの航空券を、自社ネットワークとして一元的に販売可能となります。
この提携が業界で驚きをもって受け止められているのは、「デルタ航空」の存在があるためです。デルタ航空と大韓航空は、航空業界において最も深い提携である「ジョイントベンチャー(共同事業)」を結んでいる強固なパートナーです。一方で、デルタ航空はシアトル空港でアラスカ航空と激しいシェア争いを繰り広げる「最大の宿敵」でもあります。
これまでデルタ航空は、大韓航空との強力なタッグを武器に「シアトルからアジアへ行くなら我々が一番便利」という優位性を保ってきました。しかし今回、大韓航空がデルタの宿敵であるアラスカ航空にアジアのネットワークを開放したことで、アラスカ航空の競争力が大幅に高まります。パートナーである大韓航空がライバルに「塩を送る」形となったため、一部ではデルタ航空に対する裏切り行為ではないかとも言われています。
ではなぜ大韓航空は、パートナーであるデルタ航空を刺激してまで、アラスカ航空との提携を深めたのでしょうか。その最大の理由は、今年末に完全な合併を控えているアシアナ航空との統合問題にあると考えられます。大韓航空によるアシアナ航空の買収は、すでに各国の規制当局から認可を得ていますが、それは無条件ではありませんでした。「統合して巨大化しても、他社の競争を邪魔しない」という厳しい条件(是正措置)が課されています。
つまり、今回のコードシェア拡大は、これから認可をもらうためではなく、すでに当局と交わした「仁川空港の乗り継ぎネットワークを他社にも公平に開放する」という約束を、実務レベルでしっかりと履行している行動とみられ、これにより、2026年12月のアシアナブランド消滅と完全統合に向けたプロセスを、滞りなく進める狙いがあると予想されます。




