スターラックス航空の悲願である国際航空アライアンス「ワンワールド」への加盟計画が、大きな局面を迎えています。
これまで航空業界内で噂されていた「キャセイパシフィック航空による反対」について、スターラックス航空の張國煒会長が自ら公に認めました。台湾の主要各紙などが報じたところによると、2026年5月28日に開催された同社の株主総会における質疑応答の場で、張会長は「キャセイパシフィック航空が我々の加盟に反対しているのは不争の事実である」と明言しました。これまで慎重姿勢を崩さなかった同社トップが、ライバル社からの具体的な反発を公式に認めた格好です。
ワンワールドへの新規加盟には、既存メンバー全社が同意する「全会一致」の原則が必要です。特にキャセイパシフィック航空は、アメリカン航空やブリティッシュエアウェイズなどと並ぶ「創設メンバー」の4社に含まれており、アライアンス内での意思決定において事実上の強力な拒否権を有しています。中途加盟の他社であれば交渉の余地があるものの、中核ボードメンバーであるキャセイパシフィック航空が明確な「No」を突きつけている以上、スターラックス航空の即時加盟は極めて困難な状況に陥っています。
キャセイパシフィック航空が反対に回る背景には、死活問題とも言えるビジネス上の競合があります。スターラックス航空は近年、台北発着の北米路線を急速に拡大させており、キャセイパシフィック航空のドル箱である「東南アジア〜香港〜北米」のトランジット需要と完全に重複します。機材やサービスで高い評価を受けるスターラックス航空が同じアライアンスに入れば、キャセイにとって直接的なシェアの奪い合いになることは免れないためです。
張会長はこの点について、「キャセイパシフィック航空は基本的にどの航空会社の新規加盟にも反対する傾向がある。国営カラーのあるキャリアですら反対されるのだから、完全民間の我々はなおさらだ」と語り、自社が狙い撃ちされているわけではなく、キャセイの従来のスタンスによるものとの見方を示しました。
さらに、昨日発表されたフィリピン航空のワンワールド加盟もスターラックス航空には逆風となる可能性があります。アライアンスにとって長年の課題であったアジア太平洋地域のネットワーク強化は、フィリピン航空の合流によって一定の解決を見ることになります。
これにより、アライアンス全体として「リスクを冒してまで新たなアジアのキャリアを急ぎ迎える動機」が薄れました。また、フィリピン航空はキャセイパシフィック航空のハブ戦略と競合しにくいため、キャセイパシフィック航空側にとっても「アライアンスの利益を最大化する合理的な選択をした」という強力な大義名分を得たことになります。フィリピン航空の加盟が先んじたことは、スターラックス航空の加盟ハードルを構造的かつ決定的に引き上げたと見ることができます。
即時加盟の道が事実上阻まれたスターラックス航空ですが、アライアンス入りを諦めたわけではありません。張会長は「アライアンス側からは、新興キャリアである我々は正式加盟を急ぐ前に、既存メンバーとの個別提携(コードシェアなど)を結んで信頼を積み重ねるべきだと提案されている」とし、長期戦を覚悟のうえで、時間をかけて外堀を埋めていく方針を明らかにしています。
同社はすでにワンワールドメンバーであるアメリカン航空やアラスカ航空とのパートナーシップ構築を先行させています。今後は、フィリピン航空の加盟によってさらにハードルが上がった「スターラックス航空がワンワールドにもたらす独自の価値」を証明し、他の加盟社をいかに味方につけてキャセイパシフィック航空への包囲網を築けるかが、今後の焦点となります。Photo : Airbus




