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「1人あたりの利益でホットドッグすら買えない」IATA、2026年の航空業界利益見通しを半減 中東情勢と燃料高が直撃

 国際航空運送協会(IATA)は7日、世界の航空業界に関する最新の財務見通しを発表し、中東における紛争関連の混乱と燃料価格の高騰を背景に、2026年の業界全体の純利益が前回予測から半減するとの見通しを明らかにしました。

 IATAの発表によると、2026年の航空業界全体の純利益は230億ドルとなる見込みです。これは、前回予測の410億ドルや、2025年の推定純利益である450億ドルからほぼ半減する厳しい水準です。純利益率も2025年の4.2%から2.0%へと縮小し、乗客1人あたりの純利益は昨年の9.10ドルから4.50ドルへと大幅に落ち込むと予測されています。

 収益を大きく圧迫している最大の要因は、急激な燃料コストの上昇です。2026年の業界全体の燃料コストは、前年比で約40%増の3500億ドルに達すると見込まれています。ジェット燃料の平均価格は1バレルあたり152ドルと、2025年から約70%も跳ね上がる計算であり、航空会社の営業費用の31.4%を占めるまでに膨れ上がっています。

 一方で、航空需要自体は引き続き堅調に推移しています。2026年の業界全体の総収入は1兆1650億ドル(前年比9.4%増)、乗客数は51億人(同2.4%増)に達する見込みです。また、座席の埋まり具合を示す搭乗率も84.0%へと向上し、記録的な高水準になると予測されています。しかし、航空各社が運賃の引き上げや付帯収入の拡大によるコスト回収努力を行っても、燃料費などの営業費用の増加(13%増の1兆1170億ドル)を補うには至っていません。

 地域別に見ると、業績への影響には差が生じています。中東以外の地域は依然として黒字を維持するものの、前回予測からは大幅な減益となります。一方、紛争の中心地に位置する中東地域の航空会社は、空域閉鎖などの運航の混乱や需要の低迷、乗り継ぎ客の減少が直撃し、全体で43億ドルの純損失を計上して赤字に転落する見通しです。

 IATAのウィリー・ウォルシュ事務局長は声明で、「中東での戦争に関連する混乱と燃料コストの上昇により、航空会社の見通しは悪化した」と指摘しています。さらに、乗客1人あたりの利益がわずか4.50ドルにまで落ち込むことについて、「この厳しい状況下においては業界の強靭性を示しているとも言えますが、4.50ドルではFIFAワールドカップの会場でホットドッグを買うことすらできません。他のコストや税金が上がり始めた場合に対処できる緩衝材はほとんど残されていないのです」と述べ、燃料価格のショックが浮き彫りにした航空業界の構造的な利益率の低さに強い懸念を示しました。

 記録的な旅客需要と収入を背景にしながらも、地政学的なリスクやエネルギー価格の高騰といった外部環境のショックが利益を大きく削いでおり、世界の航空業界は今後も極めて難しい舵取りを迫られることになります。Photo : IATA

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