欧州の超格安航空会社(ULCC)大手のウィズエアーは8日、スペースX社が運営する衛星通信サービス「スターリンク(Starlink)」を2027年から全機材に順次導入すると正式に発表しました。ヨーロッパのULCCとしてスターリンクを採用するのは同社が初めてとなります。
今回の導入により、同社の乗客は上空約1万メートルの巡航高度においても、地上と同等の低遅延かつ高速なインターネット接続を利用できるようになります。高画質な動画のストリーミングやオンラインゲーム、ビデオ通話、ビジネスファイルの送受信などが、機内で快適に行える環境が整うことになります。
ウィズエアーのイアン・マリン最高商業責任者(CCO)は声明のなかで、「これまで高品質な機内インターネット接続は、高額な運賃を支払うプレミアムチケットの乗客だけの特権とされてきましたが、スターリンクの導入によってその常識を覆します」と強調しました。「機内モードの終焉の始まり」を告げるとともに、手頃な運賃と信頼性の高い最先端の通信環境を両立させる姿勢を示しています。
一方で、今回のウィズエアーの決断に対し、欧州LCC最大手のライアンエアは機内Wi-Fiの導入に消極的な姿勢を崩していません。同社はこれまで、機体にアンテナを設置することによる重量増加とそれに伴う燃費の悪化、そして多額の初期コストを理由に、機内インターネットの提供を見送ってきました。
低軌道衛星を利用したスターリンクの登場により航空業界のデジタル環境は急速に変化していますが、コストを最優先してサービスを削るか、新たな付加価値として通信環境を整備するか、格安航空各社の間で判断が大きく分かれています。ウィズエアーは2027年からの本格導入に向け、今後機材へのアンテナ設置やシステム構築を進めていく計画です。Photo : Wizz Air




