2026年6月10日、午後8時頃。すっかり日が落ち、無数の航空灯が瞬く羽田空港の駐機場は、静かな熱気と少しの寂しさに包まれていました。
福岡を出発したJL326便の到着を待つため、エプロンには職種の垣根を越えて集まった大勢のJAL社員たちの姿がありました。手には横断幕やペンライトが握りしめられています。彼らが見上げる夜空の先にあるのは、大谷翔平選手の特別塗装機「DREAM SHO JET」。本日が、この特別な機体デザインでの最後の商業運航となるからです。

夜の帳を切り裂くように、聞き慣れたエンジン音が羽田の滑走路に響き渡ります。無事に着陸を果たし、誘導路をゆっくりとこちらへ向かって進んでくる「DREAM SHO JET」のシルエットが見えた瞬間、集まった社員たちは、本拠地の羽田空港へ帰還を称え、暖かく出迎えました。

奇しくもこの日、海の向こうでは大谷選手がタイムリーツーベースヒットを放ち、見事な打点を挙げる活躍を見せました。常に高みを目指し、世界に挑戦し続けるその姿勢は、空の安全と最高のサービスを追求するJALのスピリットとも深く共鳴しています。多くの利用者の笑顔と大谷選手への熱い応援の想いを乗せて日本の空を駆け抜けたその軌跡は、関係者の心の中で決して色褪せることはありません。所定のスポットに滑り込み、静かにその歩みを止めた瞬間、ひとつの歴史が幕を下ろしました。

機体を取り囲むように並んだ社員たちは、エプロンから客室の窓越しに笑顔を見せる搭乗者や、降機する利用者に向かって深くお辞儀をし、大きく手を振る彼らの姿は、航空会社の仕事がただ「人を運ぶ」ことではなく、人と人との想いや夢を繋ぐことであることを改めて教えてくれます。




商業運航としての大きな節目を迎えた「DREAM SHO JET」ですが、この機体に休息の時間はほとんどありません。感動の余韻が冷めやらぬなか、数時間後の6月11日午前2時40分には、塗装変更を含めた重整備を行うため、中国・厦門へと向かうフェリーフライトが予定されています。華やかな出迎えの裏側で、安全を堅持するための次なるミッションへ向けた準備が、深夜の羽田で静かに始まろうとしています。


大谷選手がさらなる夢に向かって走り続けるように、これまでの歴史のなかで培われたJALの安全への誓いと「おもてなしの心」もまた、新たな装いとともに未来の空へと確実に引き継がれていきます。羽田の夜風に吹かれながら、その確かな希望と航空に関わる人々のプロフェッショナリズムを感じさせる、温かく感動的なフィナーレとなりました。
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