新潟を拠点とする地域エアラインのトキエアは、2026年9月1日より名古屋/中部〜札幌/丘珠線を運休すると発表しました。2025年10月末の就航から1年足らずでの運休方針となり、同路線の需要開拓の難しさが浮き彫りになる形となりました。
トキエアの名古屋/中部〜札幌/丘珠線は、2025年の冬ダイヤ開始とともに開設されました。札幌市中心部へのアクセスに優れる丘珠空港と、中部地方の空の玄関口であるセントレアを結ぶ独自のルートとして注目を集めました。就航当初は週4便の運航体制でスタートし、ビジネス客や観光客双方の新たな足となることが期待されていました。
しかし、実際の需要喚起には苦戦を強いられていたことがうかがえます。今年4月の同路線の利用率は47.5%に留まっており、座席の半分以上が空席という状況でした。直近でも初夏に向けた特別運賃キャンペーンなどを打ち出し、テコ入れを図っていましたが、抜本的な搭乗率の改善には至らず、秋ダイヤを前に運休という苦渋の決断を下すこととなったとみられます。
利用率低迷の大きな要因の一つとして考えられるのが、名古屋〜札幌間における航空各社の熾烈な競争です。トキエアのルートは「中部〜丘珠」というニッチな立ち位置でしたが、名古屋と札幌を結ぶ大局的な市場を見れば、中部国際空港(セントレア)から新千歳空港へは大手航空会社や複数のLCCが毎日多数の便を運航しています。また、県営名古屋空港(小牧)からもフジドリームエアラインズ(FDA)が丘珠へ就航しており、乗客の選択肢は非常に充実しています。
直接的な発着空港の組み合わせは異なれど、運賃の安さ、ダイヤの豊富さ、そして両都市間移動の総合的な利便性で比較された結果、厳しい顧客獲得競争の波に飲まれてしまったと言えます。今後のトキエアは、限られたリソースを需要の高い路線へ集中させ、機材運用の最適化を進めることで経営基盤の強化を図っていくものとみられます。地方間ネットワークの拡充を目指す同社の、次なる展開に注目が集まります。




