エアアジアXは、A330-900neoの残発注分の15機を全機キャンセルしたことがわかりました。これにより、同社が将来的にワイドボディ機を手放し、ナローボディ機のみの運用へ完全に移行する方針が鮮明となりました。
今回のキャンセルは、エアバスが2026年6月上旬に公開した5月度の受注・納入実績データにおいて記録されたことで発覚しました。
エアアジアXはかつてA330neoプログラムにおける世界最大の顧客であり、長距離LCCビジネスの根幹を担う次世代フラッグシップ機材として同機を位置づけていました。しかし、パンデミックによる大規模な経営再建の過程で、2022年に未受領だった大半の発注をキャンセルし、残存オーダーを15機まで縮小していました。今回の契約解除により、同社が抱えるA330neoのバックログは事実上ゼロとなります。
この劇的な方針転換の背景には、エアアジアグループ全体が進める事業統合と、抜本的な機材戦略の見直しがあります。同グループは今後、座席数が多く供給過剰のリスクを伴うワイドボディ機の導入を取りやめ、将来的にすべての運航機材を経済性・機動性に優れるナローボディ機へ統一する計画です。
機材をナローボディ機に単一化することで、パイロットの訓練コスト、部品管理、整備費用の削減といった圧倒的な効率化を図る狙いがあります。今後の長距離路線展開においては、航続距離の長いA321LRやA321XLRといった機材を活用することで、ワイドボディ機に頼らずとも需要変動へ柔軟に対応し、多頻度運航によって収益性を高める新たな路線ネットワークの構築を進めていくものとみられます。Photo : Airbus




