全日本空輸(ANA)が、先に発表したプレミアム会員向けクレジットカード「ANAスーパーフライヤーズカード(SFC)」の制度改定について、内容の見直しを検討していることが明らかになりました。すでに告知した重要施策を再検討するという、異例の事態を迎えています。
SFCはラウンジ利用などの手厚い特典が半永久的に維持できるため高い人気を誇る一方、近年は会員数の急増による各施設の混雑などが課題となっていました。今回の制度改定は、サービスの質を維持するための混雑緩和や、コスト構造の最適化を目指した実質的な特典の絞り込みであったとみられます。
一方で、この方針に対しては業界のトレンドを背景に理解を示す意見も少なくありません。現在、世界の主要エアラインでは上級会員ステータスの価値を保つためのプレミアム化(選別と厳格化)が潮流となっています。例えば、米系大手航空会社などでは、ステータス獲得の基準を従来の搭乗距離から航空券の支払金額ベースへと完全移行し、ラウンジの利用規約を大幅に厳格化する動きが定着しています。そのため、「真の最優良顧客を優遇し、サービスの質を担保するためには妥当な判断」と、ANAの上質さを守るための決断を支持する声も上がっていました。
しかし、長年同社を支えてきたロイヤルカスタマーへの影響は大きく、発表直後から想定を上回る多くの懸念が寄せられました。これを受けANA側は「既にご案内した内容を再検討することとなり、お詫び申し上げます」とコメント。顧客からのフィードバックを重く受け止め、一度打ち出した方針との調和を図る姿勢を示しました。新たな制度改定の詳細については、2026年9月末までにあらためて案内するとしています。
今回の見直し劇は、世界的なステータスの価値向上と、国内における顧客エンゲージメントの維持という、難しいバランスの舵取りを浮き彫りにしました。方針転換への驚きが広がるなか、同社は本日、定時株主総会を迎えます。一連の経緯や今後のプレミアム戦略について、経営陣からどのような説明がなされるのか熱い視線が注がれています。




