中国の航空機メーカーであるCOMACは、チベット高原などの高地空港での運用に特化した派生型「C919-600」の地上走行テストを上海で開始しました。同機は過酷な環境下での運航が求められる高地路線において、現在市場を独占しているエアバスA319に対する新たな対抗馬となる見込みです。
C919-600は、現在商業運航が行われている標準型のC919-100をベースに開発されました。胴体フレームを6つ分短縮して大幅な軽量化を図っており、標準型が158席から192席の仕様であるのに対し、短縮型は140席から160席程度のキャパシティとなります。高地空港特有の薄い空気は、エンジンの推力低下や揚力の減少を引き起こし、離着陸に長い滑走距離を必要とするなど航空機に極めて厳しい条件となりますが、本機はこうした「高高度・高温」環境でのパフォーマンスを最大限に引き出せるよう設計されています。
すでにチベット航空との共同開発体制を敷いており、同社は2024年2月に開催されたシンガポール航空ショーにおいて、C919-600のローンチカスタマーとして40機の大型発注を発表しています。
今後の課題として、標準型のC919はすでに中国国内で多数の受注を獲得し商業運航も開始していますが、アメリア連邦航空局(FAA)や欧州航空安全機関(EASA)からの型式証明取得には至っていません。現在の地政学的な緊張状態を鑑みると、欧米当局の認証を取得してグローバルな輸出展開へ結びつけられるかは依然として不透明です。しかしながら、COMACは中国東方航空とともに2030年頃の就航を目指す胴体延長型「C919-800」の開発も並行して進めており、機体のファミリー化を通じて、国内および特定地域の路線網におけるシェア拡大を着実に推し進めていく構えです。Photo : COMAC




