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元サウディアの777-200型機の5機がイランへ密輸される 「偽装緊急着陸」でイラン入りか

 サウジアラビア航空(サウディア)が過去に保有していたボーイング777-200ER型機5機が、アメリカの経済制裁をすり抜けてイランに渡っていたことが判明し、波紋を呼んでいます。SNS等でサウジアラビアの関与を疑う声が上がる中、サウディア側は疑惑を強く否定する公式声明を発表しました。

 サウディアの説明によりますと、当該の5機は2023年6月7日の時点で、サウジアラビア国外の企業に対し合法的な手続きに則って売却済みであるとのことです。同社は「売却完了以降、これらの機体といかなる運用上および商業上の関係も持っていない」と強調しています。政治的にもスンニ派のサウジアラビアとシーア派のイランは長らく対立関係にあり、サウジ側が意図的にイランへ機体を横流しした可能性は極めて低いとみられています。

 厳格な制裁下にあるイランが西側諸国の機材を入手するにあたり、ペーパーカンパニーや中東の仲介業者を経由する複雑な所有権移転が常態化しています。なかでも物理的に機体をイラン国内に持ち込む手法は大胆であり、今回も「偽装の緊急着陸」という手口が使われたとみられています。これは、目的地の国へ向かうダミーの飛行計画を提出して離陸し、イラン領空またはその付近を通過するタイミングで意図的に「緊急事態」を宣言して、イラン国内の空港へダイバートを行うというものです。着陸後、機体はそのままマハン航空やイラン航空といった地元キャリアに事実上接収される仕組みとなっています。

 イランの航空会社が西側の機体を欲する背景には、旅客輸送だけでなく軍事的な目的も指摘されています。過去には元シンガポール航空(ノックスクート)の777が同様の手口でマハン航空に渡り、その後空爆で破壊された事例も確認されています。マハン航空はイスラム革命防衛隊の物資や人員輸送に関与しているとしてアメリカの強力な制裁対象に指定されており、今回の事態は、航空機の二次市場における不透明な取引の実態と、退役機の売却先管理の難しさを改めて浮き彫りにした形といえます。Photo : Saudia

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