成田空港の「更なる機能強化」に伴う新ターミナル構想において、アクセスの要となる鉄道施設の抜本的な見直しが明らかになりました。2030年代の開業を目指し、京成線とJR線の完全分離や新駅の建設など、かつてない規模の輸送力増強が行われます。
■京成線:東成田駅付近に「3面5線」の高架新駅を建設、一部区間で複々線化も
京成電鉄の成田スカイアクセス線は、現在の東成田駅付近に新たに高架新駅を整備し、高架・複線化を行います。この高架新駅は「3面5線」という大規模な構造となり、南側には新ターミナルに直結する改札口が、東側には第2ターミナルに接続する改札口が設けられます。また、既存の東成田駅との一体的な運用が検討されるとともに、スカイアクセス線と京成本線は連絡線で接続される計画です。さらに、北総線との共用区間である印旛日本医大駅〜新鎌ヶ谷駅間において有料特急列車専用の新線を整備し、複々線化を行う計画も盛り込まれました。

■JR線:既存の京成線を「改軌」して複線化を実現
一方のJR線は、京成線が高架新線へと移ることで空いた既存の京成線の線路を有効活用します。この線路をJR用の軌間に変更することで、成田空港駅〜空港第2ビル駅間の複線化を実現します。これにより、現在1面1線の空港第2ビル駅は「2面2線」へ、1面2線の成田空港駅は「2面3線」へと拡張されます。また、東関道交差部付近から成田駅付近に至る単線区間についても複線化が実施され、長年のボトルネック解消が図られます。

■大幅な時間短縮と増発、2028年には暫定的な混雑対策も実施

これらの整備により、京成線とJR線の動線が分離され、改札内外の混雑が抜本的に緩和される見込みです。輸送力は大幅に引き上げられ、京成線はスカイライナーと新型有料特急を合わせて最大毎時6本、アクセス特急を最大毎時3本運行可能となります。JR線も成田エクスプレスを最大毎時3〜4本に増発できる見込みです。所要時間も短縮され、押上〜空港第2ビル間を結ぶ新型有料特急は最速20分台後半でのアクセスが可能になります。完成は新ターミナルの供用開始に合わせた2030年代を目指しますが、急増する訪日客需要への対応として、2028年上期を目処に空港第2ビル駅の旧セキュリティエリアを活用した待合スペースの設置など暫定的な対策が行われます。本事業の着手は2026年度中を目標として、今後関係者間で協議が進められます。Photo : 国土交通省



