成田空港は三国間の継越需要を積極的に取り込む東アジアの貨物ハブ空港を目指し、新貨物地区の整備と周辺インフラを含めた抜本的な物流網の強化に乗り出します。2030年代初頭の供用開始を目指す新貨物地区の全容が明らかになりました。


■施設集約と自動搬送システムで世界最高水準の効率化
現在、空港敷地内に分散している国際航空物流機能を集約し、エプロンに面したエリアに貨物上屋、その後背地にフォワーダー施設を配置します。搬送ボックスの規格を統一した上で、各施設を繋ぐ自動搬送システムやマテリアルハンドリングシステムを導入し、世界最高水準の効率性と生産性を実現します。また、旅客取扱施設エリアとの間にも貨物自動搬送を導入し、旅客便のベリー貨物(床下貨物)の効率的な搬送も可能とします。

■空港隣接地との一体運用と「自動物流道路」構想
圏央道を挟んで隣接するエリアには物流不動産事業者の開発計画があり、圏央道を横断する道路で接続して一体的な運用を実現し、更なる需要創出を図ります。さらに、成田空港周辺で行われた実証実験の結果を活かし、新貨物地区と隣接地、さらには成田・羽田間における自動搬送化の実現を目指します。現在、両空港間では1日平均約230台のトラックによる横持輸送が発生しており、一体的運用に資するよう税関関連事務の簡素化なども検討されます。

■圏央道の延伸で北関東からの農産物輸出を後押し
千葉県湾岸地域は慢性的な渋滞により、自動車の移動時間のうち51%が渋滞によって損失している状況にあります。成田空港の機能強化に合わせて、圏央道(大栄JCT〜松尾横芝IC間)の開通など広域道路ネットワークの整備が進められます。これによりアクセスの向上が図られ、茨城・栃木・群馬といった北関東エリアからのいちごや牛肉などの農産物の輸出拡大が期待されています。
■2026年からマスタープラン策定へ、取扱容量は350万トンに拡大
新貨物地区の実現に向け、2026年からは航空事業者など14者が参加する「成田空港新貨物地区検討協議会」にてマスタープラン策定に向けた協議が開始されます。既存施設からの移転を段階的に進め、貨物上屋やフォワーダー施設は拡張可能なユニット方式などを採用し、2030年代初頭に供用を開始する予定です。完成時の施設規模は、羽田空港に転送されて輸出入される貨物(約20万トン)も含め、約350万トンの取扱容量を見込んでいます。

Photo : 国土交通省




