成田空港から東京都心および羽田空港方面への輸送力をさらに強化するための計画が明らかになりました。目玉となるのは、京成電鉄が新たに導入する新型有料特急を活用した、都心や京急線羽田方面への直通運転構想です。
■2段階のフェーズで進む直通計画、2028年度に押上乗り入れ開始
この直通運転計画は、大きく2つのフェーズに分けて進められます。まず第1フェーズとして、2028年度に京成電鉄の新型有料特急が押上駅までの乗り入れを開始します。現在、同社では2028年度の運行開始に向けて新型車両の製作を進めています。

続く第2フェーズでは、技術的課題などの解決を前提として、2030年代に都営浅草線や京急線への直通運転の実現を目指します。具体的には、品川駅の改良工事完了後に成田空港駅から都営浅草線を経由して京急線品川駅までの直通運転を開始する方針です。その後、羽田空港第1・第2ターミナル駅における引上線の供用が開始された段階で、京急線を経て羽田空港駅までの完全な直通運転へと拡大する計画となっています。利便性の高いダイヤの実現に向けて、具体的な停車駅や料金等については今後鉄道事業者間で調整が行われます。
■実現に向けた高いハードル、ホームドアやシステム改修が課題に
しかし、複数の鉄道事業者の路線をまたぐ直通運転の実現には、技術面や運用面で解決すべき課題も多く残されています。新型有料特急と直通先の各社局の車両規格の整合性を確保する必要があります。また、ホームドアシステムや列車運行管理システム、列車案内表示装置などの施設側での対応も求められます。例えば、既存のQRコードを用いたホームドアの開閉システムは新型特急のドア位置などに対応していないため、改修が必要となります。

また直通運転に伴う乗務員の確保や育成、特急券の発売・確認方法、さらには車両清掃などのオペレーション手法についても、関係各社ですり合わせを行う必要があります。これらの課題解決と各鉄道事業者の経営面への影響精査に向けて、早期の解決を目指して協議が継続されます。
■JR「羽田空港アクセス線」の活用も検討へ
また、災害時などのリダンダンシー(代替経路確保)強化の観点から、京成・京急線のルートに依存するだけでなく、現在JR東日本が整備を進めている「羽田空港アクセス線(仮称)」を活用した乗り入れルートの可能性についても検討が望まれると記されており、複数のアプローチで両空港間の連携強化が模索されています。Photo : 国土交通省




