2026年7月6日、アメリカ・カリフォルニア州サンフランシスコの連邦地方裁判所は、ユナイテッド航空が求めていた「窓のない窓側席」を巡る集団訴訟の棄却申し立てを却下しました。これにより、乗客側が求めている損害賠償請求訴訟は、本格的な審理へと進むことが確定しました。
この訴訟は、追加料金を支払って「窓側席」を予約したにもかかわらず、実際には窓が一切なく、機体の壁しか見えない座席(通称:ブラインド・シート)を割り当てられた乗客らが、欺瞞的な商業行為および契約違反であるとして同社を相手取り起こしたものです。
■焦点は「窓側」という言葉の定義
裁判でユナイテッド航空側は、「窓側」という表記は、航空業界において単に「通路から最も離れた、機体壁側の座席位置」を指すカテゴリー名であり、外の景色が見える物理的な窓の存在を保証したものではないと主張しました。乗客に誤認を与える意図はなかったとして、訴えの早期棄却を求めていました。
しかし、同地裁のジェームズ・ドナト判事は、航空会社側のこの主張を退けました。判事は「一般的な消費者が『窓側席』という言葉を目にした際、そこに物理的な窓が存在し、外の景色が見えると期待するのは当然である」と指摘しています。予約画面や搭乗券に同文言を明記し、かつ座席指定に伴う追加料金を徴収している以上、乗客側の契約違反の訴えには十分な根拠があるとして、訴訟の継続を認める決定を下しました。
■航空機の構造的要因と開示の不備
「窓のない窓側席」は、ボーイング737型機やエアバスA321型機など、多くのナローボディ機で発生します。これは、客室の空調ダクトや電気配線が機体壁面の内部を通る位置に重なるためで、構造上、どうしても特定の列の窓が塞がれるレイアウトになるケースがあります。
原告側は、航空会社がこうした機体構造を事前に把握しているにもかかわらず、座席選択画面で「窓がない」事実を明示せず、通常の窓側席と同等の追加料金を徴収し続けた点を問題視しています。原告の乗客らは、飛行機酔いの軽減や、閉所恐怖症による不安の緩和を目的として窓側を選択していたということです。
■他社への波及と業界への影響
同様の集団訴訟はデルタ航空に対してもニューヨークの連邦裁判所で提起されており、現在も係争中です。航空業界では、事前の座席指定や手荷物の預け入れなどによる「付帯収入」の割合が年々増加しています。今回の訴訟の行方は、座席の命名規則や情報開示の義務化など、今後の航空各社の販売戦略に大きな影響を与える可能性があります。Photo : United Airlines




