米司法省(DOJ)は、ニューヨーク州上空で飛行中のデルタ航空機に対して意図的にレーザーポインターを照射したとして、同州チークトワガ在住の31歳の男に対し、連邦刑務所での18ヶ月の実刑判決が言い渡されたと発表しました。航空機へのレーザー照射は深刻な事故を引き起こしかねない連邦犯罪であり、米航空業界全体で警戒が続いています。
事件が発生したのは2024年3月2日の夜間です。バッファロー・ナイアガラ国際空港へ向け、最終着陸態勢に入っていたデルタ航空2334便のコックピットに対し、地上から強力な緑色のレーザー光が照射されました。
担当パイロットの証言によると、照射は60秒から90秒間という異例の長さにわたって執拗に継続されたといいます。地上からは小さな光の点に過ぎないレーザーも、上空の航空機に到達する頃には大きく拡散し、コックピットの窓ガラスで激しく乱反射します。夜間の暗闇に順応していたパイロットの視覚を一時的に奪う極めて危険な状態となり、機長はレーザーの直撃を避けながら視認を最小限に抑え、手動で機体を操縦するという緊迫した対応を余儀なくされました。
男の自宅は同空港の進入経路下に位置しており、窓から上空に向けてレーザー光が照射されている様子を近隣住民が複数回にわたって目撃していました。通報を受けた警察、FBIの合同捜査により、男の寝室から証拠となるレーザーポインターが押収され、逮捕に至りました。
裁判では逮捕の違法性や被告の個人的事情が弁護側から主張されたものの、裁判所は警察の捜査を適法と判断しました。米連邦法において、飛行中の航空機に対するレーザー照射は最高で禁錮5年および罰金が科される重大な犯罪行為と規定されており、被告が有罪を認めたことで、担当のローレンス・J・ビラルド連邦地方裁判所判事は、2026年7月10日に18ヶ月の実刑判決を下しました。
近年、米国のみならず世界各国で航空機に対するレーザー照射事件が後を絶ちません。特に離着陸時の低高度において数秒でもパイロットの視界が奪われることは、致命的な大惨事に直結するリスクを孕んでいます。アメリカ連邦航空局(FAA)もこの事態を重く受け止めており、司法当局との連携を通じて違反者への厳罰化を推し進めています。
今回の一件で下された実刑判決は、航空機の安全運航を脅かす行為が「悪ふざけ」では到底済まされない重大な脅威であり、極めて重い代償を伴うことを社会に対して改めて警告する結果となりました。
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