カンタス航空が計画する世界最長路線の直行便計画「プロジェクト・サンライズ」に向け、エアバスが同路線の投入機材であるA350-1000ULR(超長距離型)の限界テスト飛行を近く実施する見通しであることが、Executive Travellerの報道により明らかになりました。
報道によると、今年6月に初飛行を終えた同機のテスト飛行機(MSN707)は、現在進行中の認証プログラムにおける最大の関門として、フランスのトゥールーズからオーストラリアのメルボルンへ向かう約1万7000キロメートルの直行飛行を計画していると見られています。このフライトが実現すれば、滞空時間は約22時間に及ぶ、民間航空機として極めて過酷なテスト環境となります。一部の現地報道では、早ければ7月23日にもトゥールーズを出発し、24日にメルボルンへ到着するスケジュールで最終調整が進められている模様です。

このテスト飛行の最大の目的は、標準型のA350-1000から航続距離を延長するために専用設計された、各種新システムの検証にあるとされています。特に注目されるのが、新たに搭載された2万リットルの容量を持つ後部中央燃料タンク(RCT)の挙動確認です。長時間の飛行における燃料のフローや圧力制御が設計通りに機能するかを、実際の超長距離環境で実証することが求められています。また、機内には客室の代わりに数トンの専用計測機器が搭載されており、飛行中の機体構造の挙動や新開発の冷却システムなどのデータを、全飛行フェーズを通じて収集する見込みです。
現時点ではエアバスからの公式な発表は行われておらず、スケジュールは天候やテストの進捗状況によって変更される可能性も残されています。しかしながら、仮にこの限界テスト飛行が完了すれば、航続距離1万8000キロメートルの飛行限界が実証されることになります。カンタス航空は2027年にもシドニー〜ロンドン線の直行商業運航を開始する計画を掲げており、今回のテストフライトは、世界の超長距離路線市場におけるA350-1000ULRの優位性を決定づける重要なマイルストーンになるものと期待されています。今後のエアバスからの正式なアナウンスや、機体の動向が注目されます。Photo : Airbus




