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ボーイング、機体の一部にエミレーツ航空の塗装が施された初期製造の777X「WH007」を解体 莫大な改修コストを回避

 ボーイングが、初期に製造された777-9型機(777X)の1機である「WH007」を解体していたことが明らかになりました。米航空専門メディア「The Air Current」の報道によって判明したもので、ボーイングも同メディアの取材に対して一部組み立て済みだった777-9を解体した事実を認めています。

 解体されたのは、2019年に製造されたWH007機体です。この機体はエミレーツ航空向けとして製造され、折りたたみ式の翼端には同社の塗装が施されていました。しかし、製造後一度もエンジンが搭載されることはなく、初飛行も行われませんでした。その後、ワシントン州エバレットのペインフィールド空港で約6年間にわたり保管された末、2025年の晩夏に解体されたと報じられています。

 今回の異例とも言える解体の背景には、初期製造機を最新の安全基準に適合させるための莫大な改修コストがあります。WH007はアメリカ連邦航空局(FAA)の最終的な型式証明基準が確定する前に、初期の設計仕様で製造されました。そのため、最新の認証要件を満たすための大規模な改修作業は極めて複雑であり、財務的に見合わないと判断されました。また、顧客であるエミレーツ航空のティム・クラーク社長が、大規模な改修を要する初期製造機の受領に強い難色を示していたことも影響したとみられます。

 ボーイングにとって、初期製造機の処遇はかつての787プログラムでも直面した悩ましい課題です。787の開発時にも、初期に製造された機体(いわゆる「テリブル・ティーンズ」)が大規模な手直しや重量増の問題を抱え、顧客への引き渡しや処理に頭を悩ませた過去があります。現在、ボーイングはすでに製造済みの約40機にのぼる777Xに対して、最新の認証基準を満たすための改修という同様の重い課題を抱えています。

 同社が777Xプログラム全体でこれまでに計上した約150億ドルという巨額の損失の中には、今回のWH007放棄に伴うコストも含まれており、厳格化する認証プロセスと初期製造機の取り扱いが開発プログラムにいかに重くのしかかっているかが浮き彫りとなっています。Photo : Emirates

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