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CFMインターナショナル、次世代エンジン「RISE」の実機テスト段階への移行を発表 将来的に航空機の姿を変える可能性

 CFMインターナショナルは、ファーンボロー国際航空ショーに合わせ、次世代航空機エンジン開発プログラム「RISE(Revolutionary Innovation for Sustainable Engines)」の最新の進捗を明らかにしました。2021年のプログラム立ち上げ以来、約500回のテストと3,000回以上の耐久サイクルを完了し、最大の目玉である「オープンファン」や「コンパクトコア」といった主要モジュールの設計レビューが完了しました。これにより、同プログラムはこれまでの概念実証の段階を終え、実物大のハードウェアを用いた物理的な検証フェーズへと本格的に移行します。

 航空業界の脱炭素化の鍵を握るオープンファン構造は、エンジンを覆うナセル(カバー)を完全に撤廃することで、従来比でバイパス比を極限まで高める画期的な設計を採用しています。カバーがなくなることで、外見上はかつてのプロペラ機(ターボプロップ機)に「先祖返り」したような姿になりますが、中身は最先端の超小型コアを備えており、現在のジェット旅客機と変わらない飛行速度と高度を維持しながら、20%以上の燃費向上とCO2排出量の削減を見込んでいます。

 これまで懸念されていた「むき出しのファン」による騒音問題についても、最新の風洞実験において空力および音響性能が目標を上回る結果を示しました。また、2,000サイクル以上に及ぶダスト(粉塵)吸入テストもすでにクリアしており、過酷な運用環境下での耐久性も実証されつつあります。さらに、合弁元であるサフランとGEエアロスペースの両社は、将来の単通路機におけるシステム全体の電動化を見据え、ハイブリッド電動システムを統合した実機サイズの地上試験も並行して進めています。

 2020年代後半に予定されている実際の飛行試験に向けて、機体メーカーである欧州エアバスとの協業も加速しています。エアバスは自社の大型テスト機であるA380(MSN1)に実物大のオープンファン・エンジンを搭載する準備を進めており、実際の飛行環境における空力特性や客室内騒音を検証する計画です。

 特筆すべきは、オープンファンはその構造上、ファンの直径が極めて大きくなる点です。現在主流となっている主翼の下にエンジンを吊り下げるスタイルでは、地面との十分な間隔を確保できないリスクがあります。そのため、次世代の単通路機では主翼を機体上部に配置する「高翼機」や、胴体後部にエンジンを設置する「リアエンジン方式」など、機体設計そのものの根本的な見直しが迫られるとの指摘もあります。

 シンガポール民間航空庁(CAAS)ともチャンギ空港での地上運用テストを進める方針を示しており、「ジェットエンジン=カバーに覆われた筒型」というこれまでの常識を覆すRISEプログラムは商用化へ向けたインフラ検証の段階に入りました。2030年代半ばの市場導入に向け、世界の空飛ぶ航空機のシルエットを一変させる可能性を秘めた技術として、業界全体の動向が注目されます。Photo : cfm

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