中国国際航空は、COMACが開発した中国国産旅客機「C919」による初の国際線定期便として、2026年8月12日より北京/首都〜ウランバートル線へ同型機を投入することがわかりました。予約システム上でも既に反映されています。
C919はこれまで、中国東方航空をはじめ中国国際航空や中国南方航空などの主要キャリアによって、北京、上海、広州、成都、西安といった中国国内の主要路線で急速に運用実績を重ねてきました。
ボーイング737シリーズやエアバスA320シリーズといったナローボディ機の競合がひしめく中、既存のウランバートル線への投入は、C919の国際的な信頼性確保と今後のグローバル展開に向けた重要な実証の場となります。近隣諸国への展開を皮切りに、さらなる国際線ネットワークへの投入が拡大されるか注目が集まります。
ただ初の国際線就航というマイルストーンを達成する一方で、C919が航空市場における真のグローバル機として普及するためには、いくつかの大きな課題が残されています。
第一に、欧米の航空当局による型式証明(TC)の取得です。現在、C919は中国民用航空局の証明のもとで運航されています。欧州航空安全機関(EASA)による審査が進行中でデータ検証の段階に入っていますが、厳格な審査基準の壁もあり、完了までには数年を要すると見込まれています。FAA(アメリカ連邦航空局)やEASAの認証がない状態では、欧米市場への参入や、同認証を基準とする多くの国での運航が制限されます。
第二に、サプライチェーンの脆弱性と量産のボトルネックです。C919は機体の国産化を進めているものの、CFMインターナショナル製の「LEAP-1C」エンジンや、アビオニクス、操縦系統など、飛行の根幹に関わる中核部品の多くを欧米メーカーに依存しています。地政学的な摩擦による部品供給の不確実性がリスクとして潜在しているほか、現在の労働力不足や部品供給網の制約から、COMACが掲げる野心的な増産計画に対して実際の納入ペースが遅れ気味になっている点も課題です。
今後は、東南アジアなど各国の独自基準で運航が承認されやすい近隣諸国への展開を皮切りに実績を積みつつ、生産・保守サポート体制の確立と欧州での型式証明取得をいかに進められるかが、C919の国際展開の命運を分けることになります。Photo : COMAC
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