エアバスの超長距離型旅客機「A350-1000ULR」が、進行中の飛行試験キャンペーンにおける最大の関門として、フランスのトゥールーズからオーストラリアのメルボルンへ向けた初のノンストップ飛行に飛び立ちました。このフライトは飛行距離約1万7,000キロメートル、滞空時間は約20時間に及ぶ、民間航空機として極めて過酷なテスト飛行となります。



エアバスは公式SNSを通じて、北半球から南半球へ向かう本フライトを「夏から冬へのひとっ飛び!」と表現し、この歴史的なマイルストーンを航空機追跡サービス「Flightradar24」で世界に向けてリアルタイムで公開しています。さらに、「次の目的地はオーストラリア。カンタス航空、あとは任せた!」とメッセージを発信し、同機の超長距離路線への投入に向けた強い自信をアピールしています。
今年6月に初飛行を終えたテスト機(MSN707)による今回の限界テストの最大の目的は、標準型のA350-1000から航続距離を延長するために専用設計された各種新システムの検証です。特に注目されるのが、新たに搭載された容量2万リットルの後部中央燃料タンク(RCT)の挙動確認であり、実際の超長距離環境下において燃料フローや圧力制御が設計通りに機能するかが実証されます。また、機内には客室の代わりに数トンの専用計測機器が積載されており、新開発の冷却システムや飛行中の機体構造のデータが全フェーズを通じて収集されます。
カンタス航空は、2027年にもシドニー〜ロンドン線の直行便を開始する世界最長路線の直行便計画「プロジェクト・サンライズ」を推進しています。今回のテスト飛行が完了すれば、目標とする航続距離1万8,000キロメートルの飛行限界が実証されることになります。世界の超長距離路線市場において、A350-1000ULRの優位性を決定づける極めて重要なステップとして、同機の今後の動向に大きな注目が集まっています。Photo : Airbus
訂正:記事公開時は22時間と表記しましたが、22時間は「プロジェクト・サンライズ」での想定飛行時間となり、今回の飛行テストは約20時間となり、修正しています。




