アメリカ連邦航空局(FAA)は、ボーイング737-8、737-9、737-8200型機を対象に、座席の固定に関する点検を義務付ける方針を示し、その原案を公開しました。これは、特定の座席において、機体の床にある後部シートレールへの取り付けに不備があることが報告されたためです。
FAAの発表によると、対象となる座席では、固定ピンが完全に固定されておらず、レールと正しくかみ合っていない事例が確認されています。通常時は問題なく機能しているように見えますが、乱気流やハードランディング、あるいは緊急着陸などで機体に強い負荷がかかった際、座席がレールから外れる危険性が指摘されています。FAAは、座席の脱落が乗客や乗員の負傷につながるだけでなく、外れた座席が通路を塞ぐことで緊急脱出の妨げになるという重大なリスクに警鐘を鳴らしています。
今回の改善命令案が直接的な法的対象とするのは、アメリカ国内で登録されている453機です。しかし、設計国当局であるFAAの決定は国際的な基準となることが多く、今後、各国の航空当局が追従して同様の指示を出すことで、世界の運航会社にも実質的な影響が波及する見通しです。
この問題への技術的な対応策として、ボーイングはすでに2025年12月10日付で各航空会社向けに情報通達しており、点検と改修の具体的手順を提示しています。今回のFAAの動きは、このメーカーからの技術的推奨を、行政による法的義務へと引き上げるためのプロセスとなります。
現段階では正式決定前の原案であり、FAAは7月27日から45日間にわたり意見公募を実施します。寄せられた意見やデータを踏まえた後、最終的な耐空性改善命令(AD)が公布・発効される予定です。なお、検査に必要な時間は1座席あたり1時間(費用85ドル)と見積もられており、1機あたり最大69席が対象となる可能性があるとしています。Photo : Boeing
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