ボーイングは現地時間2026年7月28日、737MAXファミリーで最大の座席数を誇る「737-10」について、最終となる型式証明飛行試験を完了したと発表しました。約1,000回、累計2,060時間以上におよぶ飛行試験と1,040時間の地上試験を終えたことで、同プログラムは2026年内の型式証明(TC)取得、および2027年の顧客向け納入開始という目標に向けて重要なマイルストーンを達成したことになります。



今回のテストプログラムでは、機体の安全性とパフォーマンスを証明するため、極限状態におけるシステムの検証が徹底して行われました。具体的には、メインランディングギアの動作確認をはじめ、濡れた滑走路でのブレーキ性能、最大エネルギー状態からの急停止など、過酷な条件下での要件クリアが含まれています。最終のテストフライトはシアトルのボーイング・フィールドを拠点に行われ、客室内のスピーカーシステムやトイレの煙探知機の可聴性など、乗員の緊急時対応に直結するインテリア評価が実施されました。
航空会社の今後のフリート更新計画において特に注目されるのが、本試験で実証された新システムの導入です。まれな条件下でのオーバーヒートを防ぐ「エンジン防氷システム(EAI)」のアップデートと、操縦室の警告表示を最適化してパイロットの負荷を軽減し誤報を防ぐ「eAoA」システムが検証されました。これらのシステムは、今後の737MAX全モデルの生産機に標準装備されるだけでなく、すでに運用されている既存のMAX機にも改修として順次適用される予定であり、各社の運航体制のさらなる安全性向上に寄与する重要なアップデートとなります。
飛行試験フェーズが100%完了したことを受け、プログラムの焦点はアメリカ連邦航空局による規制審査に向けた最終準備へと移行し、書類上の手続きが進められている状況です。
なお、今回の試験に投入された3機のテスト機(1G001、1G002、1G003)は、今後試験用の計器類を取り外し、客室の設置や新たな塗装を施す改修作業に入り、最終的には顧客仕様の機体として引き渡される予定となっています。世界の航空需要が拡大を続けるなか、高い座席あたりの運航効率を誇る737-10の実用化は、エアライン各社の今後の路線ネットワーク・機材戦略において強力な選択肢となることが期待されています。Photo : Boeing(Ryan Coe)




