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羽田空港D滑走路でのタイヤバースト事案、国交省が調査と対策を報告 ゴムジョイントの新たな構造への交換を検討

 国土交通省は、2026年7月28日に羽田空港D滑走路破損事案対策検討委員会の第2回目の会合を実施しました。

 2026年5月下旬、羽田空港のD滑走路において、離陸滑走中の航空機のタイヤがバーストする事案が立て続けに発生しました。5月25日にスカイマーク19便が、5月29日にはJAL645便がそれぞれトラブルに見舞われています。

 各航空会社による原因調査の結果、SKY19便およびJAL645便のタイヤバーストはいずれも鋭利な外部要因(FOD)による破壊であるとの見解を示しています。この事態を受け、国土交通省が滑走路の点検を実施したところ、D滑走路の埋立部と桟橋部を接続する「ゴムジョイント」の破損が確認されました。5月29日の点検時、ゴムジョイント内の鋼製部材がめくれ上がっている状態が発見されています。この鋼製部材のめくれ上がりが鋭利な障害物として作用し、因果関係の立証は難しいものの、離陸滑走中の航空機タイヤを損傷させた原因である可能性が高いとみられています。

 事態を重く見た国土交通省は、緊急対策を実行しました。まず、破損箇所および表層ゴムの剥離が見られる箇所において、鋼製部材を切断・撤去し、常温補修材を充填する予防保全措置を6月3日までに実施しました。さらに、航空機の走行軌跡や通過交通量を考慮し、予防保全措置の対象範囲をD滑走路およびD5誘導路へと拡大し、7月22日までに追加措置を完了させています。また、ゴムジョイントの点検頻度についても、従来の月1回から週2回(月8回)へと大幅に強化しました。

 今後の対応として、同省は「羽田空港D滑走路破損事案対策検討委員会」を通じて、ゴムジョイントの破損メカニズムを詳細に検証する方針です。三次元FEM解析や電子顕微鏡による断面観察などを活用し、原因の特定を進めます。再発防止策としては、供用開始から約16年が経過し今後の変位量が限定的であることや、今回の破損メカニズムを踏まえ、後継の伸縮装置を新たな構造への交換を検討しています。新たな構造に求められる設計条件として、航空機重量400トンなどの荷重条件への耐性、下部の桟橋構造への雨水浸入防止、限られた夜間の滑走路閉鎖時間内(週2日・23:30~翌5:30)で施工可能であること、そして点検や交換が容易な構造であることが挙げられています。

 現在、具体的な構造案として、現行の構造を基本としつつ見直しを図る「類似構造のゴムジョイント」案と、エプロン補修等で実績のある素材を用い、遊間部に目地材を設置する「樹脂系補修材への置き換え」案の2つが検討されています。国交省は、応急処置や予防保全措置を実施した箇所から優先してこの新たな構造への交換を進めるとともに、点検方法の見直しも図り、空港機能の安全確保に万全を期す構えです。

 第3回以降の同委員会では、ゴムジョイント破損メカニズムの検証、ゴムジョイント破損とタイヤバーストの因果関係の検証、ゴムジョイント破損再発防止策をとりまとめる予定となっています。Photo : 国土交通省

国交省、羽田D滑走路の破損およびタイヤバースト事案に関する委員会の議事概要を公開 委員「滑走路接続部の破損とタイヤバーストとの因果関係を立証することは難しいと思われる」

羽田空港D滑走路の損傷事案、鋼製部材の撤去と補修材充填による緊急補修工事の詳細

羽田空港D滑走路におけるゴムジョイント破損および連続するタイヤバースト事案 破損部は2022年8月に確認も経過観察を継続