株式会社グリッドは、JALグループの航空機整備を担う株式会社JALエンジニアリング(JALEC)と共同で、運航整備における配員計画を最適化するシステムの本開発プロジェクトを開始しました。特定の担当者の経験やノウハウに依存しがちな整備士のシフトや配置計画にAI技術を活用し、業務の効率化と高度化を図ります。両社は2027年夏頃の本番稼働を目指し、開発を進めていきます。

JALECは、JALグループのみならず国内外50社以上の航空会社から運航整備を受託しています。整備現場では、機種や航空会社ごとに異なる資格を持つ整備士を、便の到着から出発までの限られた時間内で適切に配置し、定時運航と安全を確保しなければなりません。日々の勤務シフトや駐機スポット、突発的なダイヤ乱れといった複雑な制約のなか、「誰がどの機体のどの作業を担当するか」を調整する業務は、これまで熟練担当者の経験とノウハウに大きく依存していました。さらに、年間の資格取得計画から当日の直前変更まで、複数の時間軸で計画を策定する必要があり、膨大な時間を要するだけでなく、担当者の業務負荷低減やリソースのさらなる有効活用が課題となっていました。
こうした課題を解決するため、両社は2025年度から一部の空港で実証実験を行ってきました。グリッドの数理最適化技術とJALECが持つ配員計画のノウハウを掛け合わせた結果、機種資格や勤務制約、運航ダイヤを踏まえた最適な配員計画の自動策定が有用であることが確認されたということです。今回の本開発では、年次・月次・日次の各計画を一貫して支援するシステムを構築し、特定の熟練者への業務依存の解消を目指します。
本システムが導入されれば、膨大な候補の中から最適な配員計画案を短時間で算出することが可能になります。天候不良や機材トラブルによる突発的なダイヤ変更、人員変動時にも迅速な再計画ができるため、担当者はより付加価値の高い業務判断や例外対応に専念できる環境が整います。また、組織横断的なデータ活用が進むことで、限られた整備リソースを最大限に活かし、運航品質全体の向上につながります。
株式会社グリッドの梅田龍介CTOは、運航整備配員計画のような複雑な制約を伴う計画業務は数理最適化技術が大きく貢献できる領域であると言及しています。JALエンジニアリングとの本システム開発を成功させ、そこで培った知見や技術をJALグループ、さらには航空業界全体へと展開し、持続可能な航空インフラの発展に寄与していく構えです。航空業界における人材不足への対応が急務となるなか、整備オペレーションの高度化を推進する今回の取り組みは、業界全体の生産性向上に向けた重要な一手となりそうです。
JAL、2026年9~10月に787-9型機を投入し大阪/関西~台北/桃園線の運航を季節便として約2年ぶりに再開 地方誘客へ台北線を強化




