オーストラリアのLCCであるジェットスター・エアウェイズは、2027年2月2日より機内持ち込み手荷物のルールを改定し、長らく適用していた「7キログラム」の重量制限を撤廃すると発表しました。今後は厳格な重量制限から、他の主要LCCでも導入されているシンプルなサイズベースのモデルへと移行します。なお、この変更はジェットスター・ジャパンの運航便には適用されません。
新たなルールが適用されるフライトでは、すべての乗客の基本料金に含まれる無料手荷物が「座席下に収納できる手荷物(バックパック、ハンドバッグ、ノートパソコン用バッグなど)1個」のみとなります。この無料手荷物のサイズは最大40×30×20センチメートルに制限されます。
従来のルールのように頭上の収納棚を利用したい場合や、より大きな手荷物を持ち込みたい場合は、新たに導入される「プライオリティ・キャリーオン(優先機内持ち込み)」オプションを事前購入する必要があります。このオプションを追加することで、最大56×36×23センチメートルの手荷物1個を頭上の収納棚に収納できるようになるほか、優先搭乗の対象となります。オプション料金は片道25オーストラリアドルから設定されており、路線によって変動します。なお、重量計測は原則廃止されますが、安全上の理由から、自力で頭上の棚に持ち上げられるよう手荷物は10キログラム程度に収めることが推奨されています。
今回の制度改定の背景には、搭乗ゲートでの手荷物計測や機内の収納スペース確保が、乗客および乗務員双方の大きなストレスになっていたという事情があります。ジェットスターのステファニー・タリーCEOは、重量制限の撤廃によって荷造りの負担を軽減するとともに、収納スペースの効率的な活用とスムーズな搭乗案内、定時運航の実現が期待できるとしています。
ジェットスターが今回導入した「基本運賃では座席下に収まる手荷物1個のみ無料とし、頭上の収納棚を利用する手荷物を有料化する」というモデルは、欧米の航空業界ではすでにスタンダードとなりつつあります。この機内持ち込み手荷物ルールの先駆者であり、現在も厳格に適用しているのが欧州のLCCです。ライアンエアーをはじめ、イージージェットやウィズエアーなどの主要LCCは、いずれも基本運賃を座席下のバッグ1個のみに制限し、頭上収納棚の利用を有料オプションとしています。
アメリカ市場においても、フロンティア航空やサンカントリー航空といった主要LCCが同様のルールを採用し、基本運賃を限界まで下げる代わりに手荷物で収益を上げるモデルを定着させています。さらにLCCへの対抗策として、ユナイテッド航空が提供する「ベーシックエコノミー」運賃など、大手FSCの一部運賃でも、機内持ち込み手荷物を座席下サイズのみに制限するケースが見られます。
今回のジェットスターの改定は、荷物を持ち込まない乗客の運賃を安く保ちつつ、機内の収納スペース不足による搭乗遅延を防ぐという、世界の航空業界の潮流に沿ったものと言えます。なお、新規定は10名以上の団体予約を除くジェットスター・エアウェイズのすべてのフライトに適用されます。2027年2月2日以降のフライトをすでに予約済みの乗客には、特例措置として「プライオリティ・キャリーオン」が無償で付与されます。Photo : Jetstar




