ロンドン・ガトウィック空港が推進する第2滑走路の拡張計画について、イングランド・ウェールズ控訴院は8月4日、環境団体などの反対派による法的な訴えを全面的に退ける判決を下しました。これにより、2025年9月に英運輸省が下した同計画の事業承認の合法性が改めて確認され、8年に及んだ法的な審議プロセスに事実上の終止符が打たれました。
ガトウィック空港の最高経営責任者であるピエール=ユーグ・シュミット氏は、この決定を歓迎する公式声明を発表しています。「今回の控訴院による判決は、我々の拡張計画のあらゆる側面が複数のプロセスを経て慎重に精査され、適法と認められたことを意味する」と述べ、計画の実現に向けた最終的なハードルをクリアした意義を強調しました。同プロジェクトの推進により、地域社会および英国経済には年間10億ポンドの経済効果と、1万4000人の新規雇用が創出される見込みです。
今回の承認により、同空港の運用は現在の「実質的な1本滑走路運用」から、用途を明確に分担した「2本同時の並行運用」へと大きく変化します。これまで北側の予備滑走路はメイン滑走路と近接しすぎているため同時使用ができず、誘導路や緊急時のみの運用に留まっていました。本計画では、この北側滑走路の中心線を北へ12メートル移設することで、同時運用が可能な210メートルの間隔を確保します。

新たに稼働する北側の滑走路は、エアバスA320ファミリーやボーイング737などの「ナローボディ機」の離陸専用として割り当てられます。一方でメイン滑走路は、すべての到着便と大型機の離陸便を担うことになります。このように滑走路の役割分担が明確化されることで、メイン滑走路の負担が大幅に軽減されるとともに、ピーク時の発着枠は現在の1時間あたり最大約55回から、69〜70回まで増加する見通しです。
これまで1本の滑走路に離着陸が集中していたことにより、天候不良やトラブル時の遅延からの回復に時間がかかるという課題がありましたが、独立した2本目の滑走路が稼働することで地上や上空での待機時間が減少し、空港全体の回復力と定時性が大幅に向上し、増大するロンドン首都圏の航空需要の受け皿となります。
シュミットCEOは声明おいて、「このエキサイティングなプロジェクトを実現し、設計と提供の段階へと前進していく」と語っており、今後は2030年の稼働に向けた具体的なスケジュールや詳細が順次発表される予定です。Photo : Gatwick Airport
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