カンタス航空は、32年にわたり世界の空を飛び続けたフォッカー100型機(VH-NPU、愛称「ミーカサラ」)を退役させ、ニューサウスウェールズ州の歴史航空機修復協会(HARS)へ寄贈したことを発表しました。同機はスクラップとしての解体を免れ、今後は航空博物館にて永久保存されることになります。



この機体は、1994年3月にアメリカン航空に納入されてキャリアをスタートさせました。その後、2004年からはオーストリア航空系列で活躍し、2016年にカンタスグループのカンタスリンクに加わりました。カンタスグループに所属してからの約10年間、パースを拠点に地方都市や重要な鉱山町を結ぶ路線に投入され、7,543回のフライトをこなしました。累計飛行距離は約900万キロメートルに達し、100万人以上の乗客を輸送して同国の地域経済と資源産業を力強く支え続けました。
現役生活に終止符を打った同機は、オーストラリア大陸を横断する最後のフライトを終え、アルビオン・パークにあるHARSの施設へと到着しました。同施設には、2015年にカンタス航空から寄贈された歴史的なボーイング747-400型機(VH-OJA)なども展示されています。このフォッカー100もまた、西オーストラリアの地域航空網を支えた歴史を後世に伝える重要な展示物として、名機たちと肩を並べて一般公開される予定です。
現在、カンタス航空は地方路線における大規模な機材更新を進めています。長年にわたり活躍してきたフォッカー機材から、より燃費効率が高く、信頼性や快適性に優れた次世代のエンブラエルE190型機などへの置き換えが進行中です。今回の32年目を迎えたベテラン機の退役は、カンタスグループにおける一つの時代の終焉と、新たな世代への確実なバトンタッチを象徴する出来事となっています。Photo : Qantas




