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エティハド航空、機内での「中国台湾」アナウンスを謝罪・修正

 アラブ首長国連邦(UAE)を拠点とするエティハド航空の台湾行きフライトにおいて、機内アナウンスの表現が台湾政府からの強い抗議を招き、同社が謝罪および修正を行う事態へと発展しました。

 発端となったのは、8月上旬に運航されたアブダビ発台北/桃園行きの便に搭乗していた乗客からの指摘です。機内の英語アナウンスでは「Welcome to Taiwan」と適正に放送されたものの、それに続く中国語のアナウンスにおいて「中国台湾へお帰りなさい」という表現が使用されました。さらに、肉製品の持ち込みに関する注意喚起において、罰則を科す主体が「中国政府」であるかのような放送が行われたことが問題視されました。

 事態を重く見た台湾の外交部は、8月21日に公式の抗議声明を発表しました。「中華民国台湾は主権独立国家であり、中華人民共和国には隷属していない」と強く反発し、国家の尊厳と主権を著しく貶める行為であるとして、台湾民航局を通じてエティハド航空へ厳正な抗議と改善を要求しました。

 この抗議に対し、エティハド航空側は即座に対応を行いました。台湾民航局の発表によりますと、同局は21日夜までにエティハド航空本社から正式な書簡を受領しています。書簡の中で同社は、不適切なアナウンスによって乗客や関係者に不快な思いをさせたことを謝罪したうえで、すでに機内アナウンスの台本を見直し、当該表現の修正を完了したと報告しました。

 今回の一件はエティハド航空の謝罪と修正により一応の収束を見ましたが、こうした地政学的な呼称を巡るトラブルは、国境を越えてネットワークを展開する国際航空会社にとって尽きることのない悩みの種となっています。

 過去にも複数の外国航空会社が、公式サイトの予約画面において台湾を「中国の一部」として扱う表記をしたことで、中国当局からの圧力と台湾政府からの抗議の板挟みになるケースが多発しています。また、日本に関連する事例を見ても、「日本海」と「東海」の呼称問題や領土の表記を巡り、機内のフライトマップやアナウンスが各国のナショナリズムを刺激し、政治問題へと発展するリスクは常に潜んでいます。

 各国の政治的な立場や主張が鋭く対立する現代において、航空会社の一存が国家間の火種となるケースは少なくありません。世界の空を繋ぐグローバルキャリアには、運航の安全性やサービスの質のみならず、繊細な地政学的バランス感覚が求められ続けています。

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