マレーシアのジョホールバルにて、かつて世界の空を牽引した2機のボーイング747が高級ホテルとして新たなスタートを切りました。「1975 Avenue & Hotel」は、長らく敷地内に駐機されていた退役済みの機体に対する大規模な内装改修を終え、この夏より本格的な営業を開始しています。

今回ホテルとして生まれ変わったのは、かつて日本航空(JAL)で活躍した「ボーイング747SR」のJA8143と、パンアメリカン航空で運航されていた「ボーイング747-100」のN743PAの2機です。JA8143は1980年にJALへ導入され、511席仕様で日本の国内幹線輸送を支えた歴史を持っています。一方のN743PAは1970年から約40年にわたり旅客機および貨物機として世界中を飛び回った機体です。これら2機には鮮やかなオレンジ色に再塗装され、宿泊施設という新たな役割を与えられています。



このホテルは、ラグジュアリー層をターゲットにしている点が大きな特徴です。各機体にはわずか9室のスイートのみが配置されており、世界各国の文化から着想を得た「プレミアム」「ビジネス」「キャプテン」「シグネチャー」の4つのカテゴリーが設定されました。アッパーデッキの構造を活かしたメゾネットタイプの客室も用意されており、航空ファンのみならず一般の旅行客にも魅力的な造りとなっています。

機体の尾翼が併設されたプールエリアの上に大きくせり出すダイナミックな景観は、宿泊者に非日常の空間を提供しています。機材更新によって退役を余儀なくされた大型旅客機が、単なるスクラップではなく、付加価値の高い体験型コンテンツとして再活用されるこの取り組みは、今後の退役機材のセカンドライフにおける興味深いモデルケースとなりそうです。Photo : 1975 Avenue & Hotel




