日本空港ビルデングは、羽田空港第1ターミナルの北側において整備を進めてきた「第1ターミナル北側サテライト施設」を、2026年9月1日より供用開始すると発表し、報道関係者に公開しました。1993年9月の第1ターミナル供用開始から約33年が経過する中で、第1ターミナルは、今回が初の大規模な施設拡張となります。



オープンに先立って行われた発表会では、日本空港ビルデングの上席常務執行役員 旅客ターミナル運営本部長である炭本悟氏が登壇し、新施設の概要や供用に向けた説明を行いました。炭本氏は今後のさらなる展望として「第1ターミナルの一部国際化や、第1ターミナルと第2ターミナルの接続を検討している」と明かし、「今後もお客様に満足いただける施設づくりを目指していく」と意気込みを語りました。
また、航空会社を代表して日本航空(JAL)の斉藤久美子執行役員 東京空港支店長も挨拶に立ち、「環境にやさしく先進的な施設となった」と新施設を評価しました。さらに「心地よい木の香りと、降り注ぐやわらかな光が印象的」と述べ、利用客にとって快適な空間となることへの期待を寄せました。



「山手線1駅分」の距離も苦にならない、開放的で快適な空間
本施設はターミナルの北端に位置するため、最もサテライトに近い「保安検査場F」からでも徒歩で約15分(約968メートル)、「保安検査場E」からサテライトの端までは徒歩約16分(約1,068メートル)を要します。この1キロメートル弱という距離は、JR山手線の大崎駅から五反田駅間の営業キロ(0.9キロ)を上回る長丁場となります。

しかし取材を通して実際に歩いてみると、ルートは直線的でわかりやすく、動く歩道が完備されているため、筆者が想像していたよりもずっと近く感じられました。また、近代的なデザインが取り入れられており、天井の高さが施設全体に大きな開放感を生んでいます。






ゲート付近にはあらゆる形状の椅子が用意され、電源も完備されていることから、搭乗までの時間を過ごすには非常に快適な空間に仕上がっています。さらに、施設の窓からスポットまでの距離が近く、航空機を間近に見ることができるため、航空機ファンにはたまらない嬉しいエリアとなっています。
ただし、施設利用時の注意点として、北側サテライト内には売店がないため、お弁当やお土産などの買い物は本館側で済ませておく必要があります。なお、喫煙をされる方向けの喫煙室は、サテライトの中央付近に1か所設けられています。
バス輸送の負担を大幅に軽減する新たな搭乗口
本施設は、国が推進する首都圏空港機能の強化などに合わせ、将来の航空需要拡大への対応や旅客利便性のさらなる向上を図るものです。2階部分にはコンコースやゲートラウンジに加え、6つの搭乗口(24番〜29番の固定橋スポット)が設けられており、これまで航空機への搭乗・降機時に生じていたバス輸送による移動負担の大幅な軽減に寄与します。なかでも注目されるのが、最も奥に位置する29番スポットです。同スポットのボーディングブリッジは長さが約100mに達し、日本一長いボーディングブリッジとなります。

羽田空港初「鉄骨造・木造ハイブリッド構造」と高い環境性能
当施設の最大の特徴は、羽田空港で初めて「鉄骨造・木造ハイブリッド構造」を採用した点にあります。強度の高い鉄骨を1階に、温かみのある木材を2階以上に取り入れた工法で、国産のカラマツやスギなど、樹木に換算して約10,000本分に相当する約1,800平方メートルの木材が使用されています。建設時のCO2削減や、木材の適切な利用による森林資源の循環にも貢献しています。

さらに、建物のエネルギー需要を抑制することで、高い省エネルギー性能を備えた大規模建築物に与えられる国の認証「ZEB Oriented」を取得しています。太陽光発電によって年間約53万kWhを発電し、施設内で消費する電気の約80%をまかなうなど、一次エネルギー消費量を大幅に削減(30%以上)した環境配慮型の施設となっています。
最新モビリティの導入と新感覚のラウンジ空間
広い施設内での快適な移動をさらにサポートするため、新たなモビリティサービスも稼働します。人の流れに合わせてなめらかに走行し最大4名が乗車できる自動走行モビリティ「iino」の新モデルや、利用エリアを北サテライトまで拡大した自動運転サービス「WHILL」を活用することで、施設内の移動負担軽減と新たな体験価値の提供を目指します。

また、26番ゲート付近には新たなカードラウンジ「FOREST LOUNGE」が同日オープンします。羽田空港初となるカフェ一体型のラウンジであり、提携クレジットカードを持たない乗客もテイクアウトでドリンクやスイーツなどのカフェメニューを購入できるほか、羽田空港限定のお土産も取り揃えています。

日本空港ビルデングは、2030年に目指す姿である「人にも環境にもやさしい先進的空港 2030」の実現に向け、この北側サテライト施設をその取り組みを体現する施設の一つと位置づけています。今回の炭本氏の発言にもあった通り、第1ターミナルの国際化や両ターミナルの接続といった大型の将来構想も視野に入れつつ、今後も環境負荷低減と旅客サービス向上を両立した空港づくりをさらに推し進めていく構えです。
羽田空港T1にて9月1日から供用開始となる「北側サテライト」公開されました
■ボーディングブリッジを備えた6スポットを新設
■JALとスカイマークが使用
■「保安検査場F」からでも徒歩で約15分 歩くエスカレーターで時短可
■環境配慮で羽田空港では初の木造・鉄骨ハイブリッド構造の施設 pic.twitter.com/mufZhwxYpW— sky-budgetスカイバジェット (@skybudget) August 25, 2026
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