KLMオランダ航空が導入を予定しているエアバスの最新鋭ワイドボディ機であるA350-900型の初号機が、フランスのトゥールーズにおいて初の試験飛行を無事に完了しました。長距離路線機材の大規模な近代化を進める同社にとって、受領と商業運航開始に向けた大きな節目となります。
前日に離陸中断(RTO)テストをクリアした同機は、現地時間9月4日昼にトゥールーズを離陸し、フランス南西部からビスケー湾にかけて約90分間にわたる飛行試験を実施しました。同社はA350シリーズの各機にオランダを代表する名画の名前を冠することを発表しており、記念すべき初号機にはアムステルダム国立美術館に所蔵されているレンブラントの名作『夜警』の愛称が付けられています。


エールフランスKLMグループは2023年に計50機のA350ファミリー確定発注を行っており、そのうち22機のA350-900型機がKLMに割り当てられています。この導入は、総額約70億ユーロ規模の機材刷新計画の柱であり、経年化が進むA330型機や777-200ER型機の後継機として順次配備される計画です。特に本拠地であるアムステルダム・スキポール空港では、年間発着回数や夜間便の騒音制限など厳しい環境規制が課されています。A350は退役対象機と比較して燃料消費量を約25パーセント、騒音のフットプリントを約40パーセント低減できるため、環境負荷と運航コストの双方を大幅に抑制する重要な役割を担います。
客室は、ワールドビジネスクラス34席、プレミアムコンフォート26席、エコノミークラス271席の3クラス構成で計331席が設けられます。ただし、航空当局による最新の規制要件解釈に伴いビジネスクラス座席の認証手続きに遅れが生じているため、導入初期の2機については、ビジネスクラスに旅客を乗せない空席の状態で暫定的に運航を開始する特例措置がとられる予定です。
商業運航のデビューは2026年10月23日のアムステルダム発トロント線となる見込みです。その後は11月下旬のモントリオール線を皮切りに、キリマンジャロ、ダルエスサラーム、ナイロビといった東アフリカ路線など、カナダおよびアフリカ方面のネットワークを中心に順次投入され、新世代機によるサービスが本格化していくことになります。Photo : KLM




