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マイアミ国際空港のAmazonの767F(21エア運航)のオーバーラン、NTSBがフライトデータと音声記録の初期解析を公表

 米国国家運輸安全委員会(NTSB)は2026年9月9日、マイアミ国際空港で9月6日に発生した21 Air(Amazon Air委託)が運航する767F(7598便)の滑走路逸脱事故に関する初期調査の進捗状況を発表しました。

 NTSBは、事故現場から回収されたコックピットボイスレコーダー(CVR)とフライトデータレコーダー(FDR)のデータをワシントンD.C.の研究所で正常に読み出し、墜落直前の数分間に記録されていた詳細なタイムラインを公開しました。公開されたデータからは、着陸直前に速度超過の警告が無視されていたことや、機体の減速手順に重大な混乱が生じていたことが浮き彫りになっています。

CVR(音声記録)から判明した緊迫のコックピット

CVRには、着陸進入の最終段階でパイロット間のコミュニケーションに大きな問題があったことが記録されていました。

◆速度超過への警告と無視◆
記録終了の1分42秒前、パイロットAがフラップを20度に設定するよう指示した際、パイロットBが「速度が速すぎる」と警告しました。パイロットBはその後も録音終了まで繰り返し過剰な速度について指摘しましたが、この懸念に対するパイロットAの応答はありませんでした。
◆鳴り響く警報◆
着陸の約1分前から、「Sink rate(降下率異常)」や「Too low terrain(対地接近警告)」といった自動警告音がコックピット内に何度も響き渡っていました。
◆遅すぎるゴーアラウンドの決断◆
機体が接地したと思われる音の約15秒後(記録終了の15秒前)になって、ようやくパイロットAが「ゴーアラウンド」をコールしました。しかしその5秒後には、機体が舗装路から逸脱したような音が記録されています。

FDR(フライトデータ)が示す減速手順の破綻

機体の操作状態を記録したFDRのデータによると、接地後にも深刻な混乱があったことが示されています。

◆高速での接地◆
記録終了の30秒前に、前輪と右側の主脚が時速158ノット(通常の着陸速度より速い速度)で接地しました。左側の主脚が接地したのはそれから11秒後(時速134ノット)でした。
◆着陸復行の試みと断念◆
時速120ノットに減速した時点で一度ブレーキが解除され、エンジンの推力がゴーアラウンドに必要な出力まで引き上げられました。しかし、そのわずか4秒後(時速117ノット時)、スロットルは再びアイドルに戻され、ブレーキが踏み直されています。
◆減速装置の不使用◆
FDRのデータには、機体を強力に減速させるためのスピードブレーキやスラストリバーサー(逆噴射装置)が使用された形跡はありませんでした。

 現時点で本事故の根本原因は、パイロットの致命的な判断ミスとCRM(クルー・リソース・マネジメント)の完全な崩壊にあると考えられています。

 最終進入時、機体は大幅な速度超過による「不安定な進入」状態にありました。しかし操縦を担当していたパイロットAは、パイロットBからの度重なる警告や対地接近警告を無視して着陸を強行しました。一方のパイロットBも、操縦権を奪ってゴーアラウンドを強行する最終決断を下せませんでした。

 接地後も致命的な操作ミスが連続しています。158ノットという高速での接地直後に一度ゴーアラウンドを試みたものの、わずか4秒後に断念。その後も、機体の減速に不可欠なスピードブレーキや逆噴射装置を一切使用しないなど、基本手順の欠落が滑走路逸脱の直接的要因となりました。

 NTSBは、今回公開された情報は予備的なものであり変更される可能性があると説明しています。今後、ワシントンD.C.の本部でCVRグループを招集し、原因究明に向けた調査を継続していくとしています。Photo : NTSB

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