アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビを拠点とするエティハド航空は、フダ・アル・ムサラミ機長が同国籍の女性として史上初となる「教官機長」の資格を取得したことを発表しました。「エミラティ・ウィメンズ・デー(UAE女性の日)」に合わせて公表されたこのニュースは、中東の航空業界における女性のさらなる躍進を象徴する出来事として大きな注目を集めています。
アル・ムサラミ教官機長は、2003年に航空業界でのキャリアをスタートさせ、2014年にエティハド航空へと入社しました。これまでにA330やA340、777といった多種多様な大型機の乗務を経験しており、現在は主力機である787のライセンスを保有しています。2023年に機長昇格を果たした後、今回の教官資格取得に至りました。総飛行時間は1万時間を超える熟練のパイロットであると同時に、航空マネジメントの学士号やビジネス管理・情報システムの修士号も有しており、実務と理論の両面で極めて高い専門性を誇ります。
今回の偉業について同氏は、「最初の一人になるということは、道がない場所に自ら足を踏み入れること」だとその真意を語っています。単に名誉ある称号を得ることだけが目的ではなく、自身が道を切り拓くことで、後に続くUAEの女性たちがさらに高みを目指せる環境を作りたいという強い使命感を示しました。すでに教官としての任務を開始しており、フライトデッキにおける最高水準の安全性と専門性をもって、国籍や経験レベルを問わず次世代のパイロット育成にあたっています。
エティハド航空において、女性の活躍は目覚ましいものがあります。現在、同社に所属するUAE国籍の従業員のうち、75%を女性が占めており、運航部門にとどまらず経営層に至るまで幅広い領域で貢献しています。同社の人事・政府・企業広報の最高責任者を務めるナディア・バスタキ氏は、今回の快挙が才能と決意、そして機会が結実した結果であると称賛の意を表しました。
成長を続ける中東の航空業界において、自国民による高度な運航体制の構築と人材育成は重要なテーマとなっています。アル・ムサラミ氏が教官機長として後進を育成する姿は、次世代の航空人材にとってこれ以上ない道標となるはずです。Photo : Etihad Airways




