いよいよ明日9月24日より、ボーイングの技術者らを代表する航空宇宙専門技術者組合(SPEEA)による新労働協約案の承認投票が開始されます。会社側は大幅な賃上げを含む新たな譲歩案を提示し、組合指導部も承認を推奨しているものの、現場の意見は割れており、ストライキを回避できるかは依然として予断を許さない状況です。
今回の労使交渉において、今後のボーイングの動向を左右する要素となっているのが次世代大型機「777X」への波及です。ボーイングのケリー・オルトバーグCEOは、約1万7,000人のエンジニアがストライキに突入した場合、現在進行中の777Xの型式証明作業が停止すると説明しています。2027年の初号機納入を目指す777-9プログラムにとって、FAAの認証プロセスの中断はスケジュールの遅延に直結するため、業界内でも懸念が高まっています。
ボーイングが9月12日に提示した新たな4年間の協約案には、発効時(10月16日予定)の即時10%の賃上げに加え、2027年の4%のベースアップ、2028〜2030年にかけて最低4%の賃上げ保証など、待遇の改善が盛り込まれました。しかし、8月の事前投票で会社側提案を高い反対率で否決した組合員が、今回の提案ですんなりと妥結するかは不透明です。シアトル都市圏における深刻なインフレや住宅価格の高騰を背景に、さらなる待遇改善を望む声も少なくありません。
さらに、過去の労働争議で他部門の組合がストライキによって会社から好条件を引き出した事例や、オルトバーグCEOによる「ストライキで777Xが止まる」との発言自体が、労働側にとって「強気に出ればさらに譲歩を引き出せる」という交渉の材料になっているとの見方もあります。
現行の協約が失効する10月6日を前に、労使が合意に至るかどうかが注目されます。生産ラインと将来の航空機開発の行方を左右する投票は、明日9月24日から10月1日にかけて実施されます。Photo : Boeing




