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アイスランド2社、東京へのロシア上空通過権を取得との報道、WOWエア絡みか?

ロシア当局は、アイスランド2社に対して既に東京、北京、ソウル、香港、上海路線のロシア上空通過権を付与しているという発言があったとinterfaxが報じました。

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なぜいきなりこのような報道があったかというといろいろと経緯があります。

まず以前投稿した2件の記事です。
・WOWエア、今後数年間でアジア14~15都市の路線開設を計画
・WOWエア、レイキャビク~ニューデリー線12月就航を正式発表 今後もアジア路線を展開

上記の通りWOWエアは今後数年間で新規導入するA330-900neo(PY42席・Y323席)でアジア14~15都市へ就航する計画を発表し、発表された第1就航地はインド・ニューデリーとなりました。アジアへ最大15都市となれば市場規模からいっても日本、中国、韓国が候補に挙がるのは自然な事です。

元々インド就航が有力視されていましたが、このニュースにより現地アイスランドをはじめ、なぜニューデリーなのか、また今後の就航地はどこなのかという事が話題となっている所に欧州の一部メディア(TURISTI ch-aviation)の報道でロシアがアイスランドに対して上空通過権を認めず今後中国、日本へは飛べないだろうという内容の報道があり、その後ロシア当局がアイスランドとの昨年の協議で東京、北京、ソウル、香港、上海路線のロシア上空通過権を付与していると否定した形です。
実際に今回発表されたニューデリー線はぎりぎりロシアにかからない上空を飛行するルートのようです。

ロシア上空通過権といえば最短ルートとなるため日本欧州間では避けられない問題で、最近で言えばLOTポーランドの成田線がなかなか増便できなかったことも記憶に新しいかと思いますし、ベルギーの新エアライン、エアベルギーの香港線も同様の問題で就航日が再々延期となり今のところ6月2日まで延期となっています。
その他、話題となったノルウェージャン、レベルが開設の意向を示しているバルセロナ線も同様の問題がついてまわっています。

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今回興味深かったのは上空通過料として旅客一人あたり7000~10000クローナ(約7000~10000円)かかるということで、この金額を考えるとJALも検討している長距離LCC(日本~欧州)の成立はなかなか難しいものにも感じます。

さて話題をWOWエアの路線展開に話を戻しますと、ロシア当局の話が本当であれば東京、北京、ソウル、香港、上海はほぼWOWエアの就航候補地になると見て間違いないと思います。アイスランド航空も長距離で勝負できるような機材を保有していませんし実際に運航する意欲があるのはWOWエアかと思われます。以下画像は現状のWOWエアの路線網です。

アイスランドは地理上ヨーロッパ~アメリカの中間といえるところに位置しているため、レイキャビクをハブ化し欧州各地~アメリカ各地の需要を取り込むことで成功を収めました。
ただこれが東アジア路線となると立地的に乗り継ぎ需要を考えると特別に優位的とも思えないのですが、一部報道ではセカンドハブも検討ということもあるので実際どのような路線展開を考えているのか見通せません。

ただWOWエアはULCCというだけあって安いので是非日本へ就航してもらいたいですが、WOWエアに限らずロシアの上空通過権は政治的な問題も絡みやすく、コストもかかり日本にとっても路線開設が進まない一因でもあるので厄介な問題です。

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