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国交省、一部エアライン指摘の大手のセール料金について現状は略奪的運賃には該当しないと判断

 国土交通省は、一部エアラインから指摘のあった大手のセール料金設定において、現状は略奪的運賃には該当しないと判断していることを明らかにしました。

 現在の国内線においては、コロナ禍以降の各社の収益状況が悪化している現状があり、この要因は世界的なインフレ、為替によるコスト増加や、ビジネス旅客の減少などが主な要因となっています。また政府支援(公租公課減免・燃油補助)なしでは、全社が実質赤字の状態とみられています。

 現状大手においては、ビジネス客の減少を埋める形でコロナ以前よりも大胆なセール運賃を設定することで穴埋めを行っていますが、これにより中堅エアラインは追随せざるを得ない状況で各社の旅客単価が低下している状況となっており、一部エアラインからはコストに見合わない恒常的セールの抑止するようなガイドラインの設定が必要との意見も出ています。

 このようなことから国交省は議論を進めていますが、現在行われているセール販売は、期間を限定した販売であること等から、略奪的運賃(競争相手を市場から排除することを目的とし、原価を下回る極端な低運賃を設定する戦略)には該当しないと判断しているとしました。なお現航空法では運賃の設定は、原則航空会社の経営判断ですが、国土交通省大臣は変更命令を発出することが可能となっています。

 ただ適正な競争環境の確保の観点から、変更命令発出の対象となる略奪的運賃の調査について変動費を指標としていることをわかりやすく発信するべきではないか、通達で定義されている変動費の他に考慮すべき費目が無いか今後検討するべきではないか、公正な競争をモニタリングする観点で利用者にとってよりわかりやすい情報公開の仕組みについて検討するべきではないかが論点であるとし、これらが課題であるとの認識を示しています。

既報の各社ヒアリングとなります。◇ANA ◇JAL ◇スカイマーク ◇スターフライヤー ◇エアドゥ ◇ソラシドエア

スカイマーク「国内線は利益なき繁忙という課題に直面」他社を含めコストに見合わない恒常的セールの抑止や燃油サーチャージの導入を提言

スターフライヤー「収入・費用の両面で経営を圧迫。将来にわたって航空事業を持続することが困難な状況」早期に国際線を再開させる方針

ソラシドエア「国内線は我慢比べの状態。競争環境を整えないと地域航空会社が存続できなくなる」

エアドゥ「現状が続けば機材更新もままならないほどの財務状況の悪化で事業継続すら危ぶまれる」

ANA「国内線事業は利益を創出することが厳しい状況。国内線は供給過多の状態で新幹線の存在で値上げできない」

JAL「国内線事業は政府支援がなければ実質利益なし。ネットワーク維持のため今後10年間で約80機を更新する必要」