ANAホールディングスの芝田浩二社長は、ANAグループ年始式にて年頭挨拶を行いました。以下同社長の挨拶となります。
新年、明けましておめでとうございます。
ANAグループ一同で、令和8年の穏やかな初春を迎えられる事を大変喜ばしく、嬉しく思います。年末年始の航空の多貨客期にあっては、厳しい気象条件の下、安全運航を徹底し、多くのお客様にご利用いただくことができました。皆さん一人ひとりの貢献に改めて感謝いたします。
昨年を振り返ると、ロシアによるウクライナ侵略、イスラエルのガザ地区侵攻が続き、タイ・カンボジアの国境紛争、そして中国の訪日自粛など、平和な環境を是とする我々の事業にとって厳しい環境が続きました。また、年明けには、ベネズエラへの米国の地上攻撃が発生するなど、世界の地政学リスクは予断を許さず、私たちには常に果断な対応が求められます。国内でも地震、豪雨、大火など多くの自然災害が発生し、被災された方々に思いを寄せるとともに、普段の生活を支える社会インフラとしての航空の果たす大きな役割と責任に、改めて思い至ったところです。
ANAグループは、好調な業績に支えられる一方で、連続して発生した法令違反と不安全事象に対し、国土交通省から厳しい行政指導を受けました。「安全は経営の基盤であり、社会への責務である」の理念を掲げる私たちには、これを重く受け止め、改めて法令の遵守と、安全の徹底を誓い、厳格に励行することが求められます。
さて、昨年の年頭には、今後の成長に向けて力を蓄える「撓む(たわむ)」1年としたい、とお伝えしましたが、皆さんの貢献により、今後に向けた蓄えは当初計画に沿って順調に進んでいます。
航空事業成長の源泉である航空機については、整備部門(e.TEAM ANA)の尽力によりAOG(Aircraft On Ground)の解消作業が進むほか、新造機の受領が遅延しているボーイング787型機についても徐々に導入が進み、長距離国際線の新しいシートの運用が始まります。また、まもなく受領予定のボーイング737-8型機が日本の空に初めて就航することとなります。
貨物事業も、旺盛なアジアー北米の需要を着実に取り込むなど、堅調に推移しているところですが、日本貨物航空のグループ化により、今後の更なる成長に向けての基盤構築が進みました。また、社債型種類株式の発行により、2000億円の資金調達を行いましたが、これは今後の成長投資や自己株式取得などによる株主還元に充てられ、財務基盤の強化にもつながります。
ANAグループは1952年に創業し、今年は創立74周年を迎えますが、この歴史の半分は昭和の時代に培われたものです。我々の昭和の先達は、今日のANAグループの礎を築くとともに、将来に向けて様々な成長の種を蒔いてくれました。そのうちの一つが、昭和61年(1986)の国際定期便の運航開始でした。この小さな種は、就航40周年を迎える今日、ANAグループを牽引する主力事業へと大きく成長しましたが、これからの成長の種を蒔き、育てあげるのは、いま共に歩んでいる皆さんです。
今後も、価値創造の源泉である人財および付加価値を高めるDXへの投資を強化することで、皆さんの挑戦を支援し、各事業の成長を加速させていきます。今年は、昨年まで成長軌道回帰に向けて撓めてきた力を「發(はなつ)」年です。
ANAグループ一人ひとりが、互いを尊重しながらそれぞれの職場で誇りと喜びを持って働き、今年から始まる新たな中期経営戦略の元に再出発し、2030年、そしてその先のさらなる高みに向けて持続的な成長を実現できるよう、一緒に頑張っていきましょう。




