ANAグループが展開する中距離国際線ブランドのエアージャパンが、明日2026年3月29日午前の成田到着便をもって、ブランドとしての全運航を終了します。2024年2月の就航以来、FSCとLCCの長所を併せ持つハイブリッドキャリアとしてインバウンド客を中心に支持を集めてきましたが、約2年1か月という短い期間でその幕を閉じることとなりました。
最終便となるのは、東南アジア路線の現地折り返し便です。バンコクを出発するNQ2便が午前8時10分に、続いてシンガポールを出発するNQ4便が午前8時40分に成田国際空港へ到着し、これをもって同ブランドの運航は完結します。
就航からわずか2年余りでのブランド廃止という異例の決断に至った背景には、想定を上回る厳しい事業環境の変化と、グループ全体に波及した深刻な機材不足があります。ロシアの上空通過回避が長期化したことで欧州路線の飛行時間が増加し、運航に必要なパイロットや客室乗務員、機材の数が高止まりする事態となっていました。さらに、787型機の新造機受領の遅延や、搭載エンジンの不具合改修に伴う稼働可能機材の減少が重なり、ANAグループとして国際線の運航リソースを確保することが急務となっていました。
これらの課題に直面したANAホールディングスは、経営戦略の大きな転換を図り、これまでのANA・ピーチ・エアージャパンの3ブランド体制(マルチブランド戦略)を見直し、フルサービスのANAとLCCのピーチの2社に集約する「デュアルブランド戦略」への回帰を決定しました。エアージャパンに投入されていた787-8型機や経験豊富な乗務員といった貴重な経営資源を、収益性の高いANA本体の国際線事業へ直接振り向けることで、グループ全体の最適化と事業規模の拡大を優先する狙いがあります。
明日以降、ブランドとしてのエアージャパンはその役割を終え、独自の航空券販売なども終了します。ただし、株式会社エアージャパンという企業自体は存続し、今後はANAブランドの国際線を運航する会社としてグループの屋台骨を支え続けます。Photo : Air Japan
ANA、エアージャパンを活用した第3ブランドとなる新LCCを設立することを発表 B787で東南アジアなど中距離路線に進出




