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国内エアラインは世界的に珍しい航空燃料税をいくら支払っているのか

 昨今の日本では、消費税、所得税、贈与税など税金に対する議論が活発化していますが、今回は国内エアラインが支払っている航空燃料税に焦点をあてます。

 この航空燃料税は、航空会社の燃料の給油量に基づいて航空会社が国に支払うものですが、このような税金も航空券価格に転嫁されることから、利用者としては知っておいて損はありません。

 まずこの税金の対象となるのは、国内線のみで国際線には適用されません。国内線を運航するエアライン全社に納税義務があり、原則となる税率は、1キロリットルあたり一般国内航空機が26,000円(沖縄路線航空機は13,000円、特定離島路線航空機は19,500円)となっています。

 近年では、東京オリンピックを契機に訪日外国人旅行者の地方誘客を拡大するため、特例措置で減額されたほか、新型コロナウイルス時の特例措置で一般国内航空機が9,000円(沖縄路線航空機は4,500円、特定離島路線航空機は6,750円)まで減額された過去がり、現在は一般国内航空機が15,000円(沖縄路線航空機は7,500円、特定離島路線航空機は11,250円)の軽減税率が適用されています。

 現在の税率は2027年3月31日までの適用が決まっており、2027年4月1日からは一般国内航空機が18,000円(沖縄路線航空機は9,000円、特定離島路線航空機は13,500円)の軽減税率が適用される予定となっていますが、この航空燃料税の軽減税率は継続した政府による航空会社支援策の一つで、航空会社側はこのような軽減税率が廃止されると経営状況は悪化すると主張しています。

 なお航空燃料税を導入する国は限定的で、アメリカでも導入はされているものの、1ガロンあたり4.4セント、1キロリットル換算で約1,700円となっており、単純な比較はできないものの、日本の税金が突出して高い状況となっています。またかなり大まかな計算となりますが、羽田〜伊丹線(737-800クラスを想定)の給油量(消費+予備)を約5キロリットルとして想定すると、軽減税率を適用しない場合、1フライトあたり税額は約13万円となり、事実上の乗客負担は約500円となります。

 このような数字を目にすると、近年航空会社が国内線は利益なき繁忙と訴えている状況について、同情する人も増えるかもしれません。

ANA「国内線事業は利益を創出することが厳しい状況。国内線は供給過多の状態で新幹線の存在で値上げできない」

JAL「国内線事業は政府支援がなければ実質利益なし。ネットワーク維持のため今後10年間で約80機を更新する必要」

スカイマーク「国内線は利益なき繁忙という課題に直面」他社を含めコストに見合わない恒常的セールの抑止や燃油サーチャージの導入を提言