チリ民間航空当局(DGAC)は、2024年3月にシドニー発オークランド行きのLATAM航空800便で発生した急降下事故について、約2年にわたる調査の結果をまとめた最終報告書を公表しました。
報告書によると、事故の直接的な引き金となったのは、コックピット内の機長席の背もたれに設置されていた「座席調整用スイッチ」の誤作動です。巡航中、客室乗務員が機長に食事を運んだ際、誤ってこのスイッチに触れたことで座席が予期せず前方に動き出しました。
当時、機長は足を組んだ状態で座っていたため、前進する座席と操縦桿の間に脚が挟まる形となり、操縦桿に強い押し込み圧力がかかり、この圧力が自動操縦の許容値を超えたため、システムが解除され機体は突如として急降下を開始しました。そして副操縦士が即座に介入し、約12秒後には制御を取り戻しましたが、この間に機体は約400フィート急降下し、シートベルトを着用していなかった乗客らが天井に叩きつけられるなどの惨事となりました。この事故により、乗客乗務員合わせて50名以上が負傷し、そのうち数名は重傷を負いました。
調査では機体側の不備についても指摘されています。当該の座席スイッチには保護用のカバーがついていましたが、これが緩んで外れかけていたため、わずかな接触でも反応しやすい状態にありました。製造元のボーイングからは以前より、同箇所の点検や改修を推奨する通知が出されていましたが、当該機体にはこの対策が適用されていませんでした。今回の正式な報告書公表を受け、航空業界では改めてコックピット内の物理的なスイッチ類の安全性確保と、メーカーが推奨する改修の確実な実施が強く求められています。Photo : LATAM
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