中東情勢の緊迫化に伴う空域封鎖やハブ空港の機能不全を受け、欧州とアジアを結ぶ移動において、アジア系航空会社への需要が急激に高まっています。一部の路線では運賃が通常時の10倍に跳ね上がるなど、一時的に漁夫の利を得る側面がある一方、原油価格の急騰が経営の重荷となっており、手放しでは喜べない不透明な状況が続いています。
これまで世界最高レベルのネットワークを誇ってきたエミレーツ航空、カタール航空、エティハド航空などの中東勢が、運休や大幅な減便を余儀なくされています。これを受け、旅客は中東ルートを回避し、アジアの航空会社を選ぶ傾向を強めていますが、これは単なる利便性の問題だけでなく、不安定な情勢から命を守るための切実な行動という側面もあるとみられています。
こうした背景から、アジア系航空会社は一時的に高い収益を得ている可能性がありますが、これはあくまでも一過性のものと考えられます。実際、アジア各社の表情は決して明るくありません。今回の一連の情勢における最大の懸念は、戦時下の供給不安による航空燃料価格の急騰で、燃料価格は紛争開始前と比較して、一時2倍近くまで上昇しました。
利益率の低いLCCなどからは、現在の燃料費では運航の継続は不可能であり、機体を地上待機させることも検討せざるを得ないとの声も聞こえ始めていますが、先行してニュージーランド航空が一部路線の減便を決定しており、今後このように対処する航空会社は世界的に増える可能性があります。
また、安全確保のために中東空域を大きく迂回することで、燃料消費が増えるだけでなく、乗務員の交代サイクルの乱れや機材の回転率低下といった目に見えないコストも経営を強く圧迫し始めているほか、世界的な景気減退や旅行マインドの冷え込みを懸念する動きが強まっています。
アメリカ・イスラエルによるイラン攻撃の余波は、航空・旅行業界に極めて大きな影響を及ぼしており、事態の早期鎮静化が切実に待たれる状況となっています。

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