航空データを取り扱うIBAは、新型コロナウイルスの影響により、旅客機の主力となる全機種において価値が下落したとし、特にA380については50%以上下落した事を明らかにしました。
ワイドボディ機においては、B787-8が13%減少したことを除くと、B787-9/10、A330neo、A350の市場価値はわずか5%~8%の間で減少幅となりましたが、A380に関しては最も影響を受け、全機齢のA380が50%以上の下落となったとしています。
またB777とA330ceoは19%の下落となりましたが、前者は想定内の下落幅であり今後も貨物機への転換の可能性などにより一定の価値は維持できるものの、A330ceoに関しては同機を主力機種としている事業者の著しい不調により供給が過剰となっている事、パンデミック以前からの市場価値の低下により、今後も継続的な価値の下落が予想されるとしています。
また最新鋭のナローボディ機では、A320neoファミリーとA220は3%~8%の減少幅でしたが、B737MAXシリーズは11~12%下落しています。
新型コロナウイルスの影響により、比較的機齢が若い機体においても売却や早期リースバックなどが行われており、これまでに無いほど中古市場が充実しています。しかしながらA380に関しては、今後も買い手が見つからない可能性は極めて高く、今回の市場価値の下落幅は妥当と考えられます。Photo : Airbus