事実上の経営破綻に陥り、現在ベインキャピタル主導の下、経営再建を図っているヴァージンオーストラリア航空は、就航を無期限延期としている東京/羽田~ブリスベン線の就航は、早くとも2022年後半となる可能性あることがわかりました。
既報の通り、同社は上記路線の就航日を2021年10月31日まで延期する申請をオーストラリア当局に申請したことから、運航可能な機材を保有しない現状でも同路線の就航に意欲的であることが明らかになっており、実際に2021年3月31日が認められています。昨今の新型コロナウイルスの状況を考えると、この期限もこれまで同様に延期される可能性が高く、当局も延期を認めていることから、同社の就航計画に一定の理解を示していることが推測されます。
また12月8日には、長距離国際線の需要が回復した際には、ワイドボディ機を再導入するとし、航空機メーカーと機材戦略について協議していることも明らかにしています。
そして今回新たに明らかになったのは、Jayne Hrdlicka CEOが「今後18~24ヶ月間はワイドボディ機の運航行わない」とCAPA Centre for Aviation のイベントで明らかにしたことから、早ければ2022年後半にも長距離国際線を視野に入れているものとなります。
同社では前任のPaul Scurrah CEOに代わり、先月から元ジェットスターCEOのJayne Hrdlicka 氏が新CEOとして就任しましたが、Paul Scurrah 氏は、長距離国際線の再開時の就航優先都市は、東京とロサンゼルスであることを明らかにしていたほか、長距離線用機材については、B787を導入することについて言及していたことから、この計画に変更がなければ、2022年後半にも羽田線が実現する可能性があります。
しかしながら、年単位で羽田空港の発着枠を空白になることを考えると、スロット枠を巡り競合したカンタス航空や当局が意見する可能性もあります。同社にとってこれから先の経営を考えると、当分配分されることが無い羽田枠を確保しておきたいのが本音とみられ、筆者の個人的な推測になりますが、早期に就航を迫らる形となった際には、場合によっては提携を予定しているANAとウェットリースする契約を行うことも選択肢の一つにするのではと考えています。
当面はB737型機に統一してコスト削減を図る計画ですが、近い将来同社のワイドボディ機が羽田に飛来する可能性があり、一旦は途絶えたように思えた同社就航の可能性がまだ残り、今後も目が離せないエアラインとなります。Photo : Virgin Australia
ヴァージンオーストラリア航空、タイガーエアの事業を停止や東京・LA線の無期限停止を発表 需要が戻った際には両路線を再開する意向