2023年2月7日、三菱重工業は、国産初のジェット機となるスペースジェットの開発を中止し、撤退すると正式発表しました。
同社は、立ち止まりとしていた SpaceJet M90 の開発活動を中止し、今後ともスペースジェットの知見を活かし、完成機を見据えた我が国航空機産業の発展と技術力向上に取り組んでいくとしています。
中止する理由は、以下の観点から開発再開に足る事業性を見出せなかったためとしています。
① 技術 開発長期化により一部見直し要。脱炭素対応等も必要
② 製品 海外パートナーより必要な協力の確保が困難と判断
③ 顧客 北米でスコープクローズ(労使協定による機体サイズ等の制限)
の緩和が進まず、M90では市場に適合しない
足下でのパイロット不足の影響もありRJ市場規模が不透明
④ 資金 型式証明の取得にさらに巨額の資金を要し、上記市場環境では事業性が見通せない
また反省点としては、 高度化した民間航空機の型式認証プロセスへの理解不足、長期にわたる開発を継続して実施
するリソースの不足を挙げています。
そのほか、今後の取り組みとして以下を挙げています。
1. CRJ事業での完成機事業への取組み
2. 海外OEMとのパートナーシップ深化
3. 完成機を見据えた次世代技術の検討
4. FX(次期戦闘機)への知見活用
5. 愛知県にある施設・設備活用