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ピーチ、機材拡充で東南アジアや国内リゾート路線の開設を視野 燃料高騰には3年のヘッジで対応

 2026年3月31日、ピーチアビエーション(Peach)はブランドリニューアルを発表し、同社の常務執行役員である遠藤哲氏が、次なるステージへの挑戦として事業計画を説明しました。

 日本初のLCCとして関西空港からスタートしたPeachは、これまでの15年間で人・モノ・コトの交流を深める「アジアのかけ橋」として新たな旅客需要を創造し、インバウンド需要の拡大に大きく貢献してきました。2012年度と比較して、2024年度の総旅客数は約530%増加し、そのうち関西発着は約250%の増加を記録しています。2026年3月1日現在、稼働機材数は37機に達し、国内線25路線、国際線15路線の広大なネットワークを展開しており、20代から30代の利用客が全体の約54%を占めるなど、若い世代を中心に支持を集めています。


Photo : Peach Aviation

 近年の取り組みとして、Peachは2024年4月より「愛あるフライトを、すべての人に。」という新たなビジョンを掲げ、原点に立ち返った3つの主要な施策を実施しています。

 1つ目は「お客さまにとってわかりやすさ・使いやすさを追求」することです。運賃体系の見直しや予約サイトのリニューアルによるステップの大幅短縮、空港での自動手荷物預け機(SBT)導入などにより「並ばせない・待たせない」環境を整備しました。2つ目は「Peachの品質(育成・おもてなし)を一貫した『自社体制』へ」の移行です。関西空港での国内線旅客ハンドリング業務を自社化し、複合訓練施設「MOMO TRAINING LAB」を開設することで、サービス品質の向上を図っています。3つ目は「定時性の改善」です。2022年からの継続的な改善施策により、定時出発率は79.2%(FY22)から84.1%(FY25速報)へと大きく向上しました。2024年にはCirium社による表彰を受け、指定本邦航空運送事業者定時到着ランキングで1位、世界ランキングで8位へと飛躍的な回復を遂げ、時間通り飛ぶことを当たり前の品質として確立しています。

 そして次なるステージである「Peachの未来」に向けて、同社はさらなる品質向上とネットワークの拡大に挑みます。これまで積み上げた定時性という揺るぎない信頼をベースに、自社一貫体制による品質の進化を追求します。ネットワークの拡大においては、主要客体であるレジャー需要と訪日需要をさらに深耕し、韓国・台湾などの主要路線を軸にアジアからの旺盛なインバウンド需要を確実に取り込みつつ、日本居住者にとっても手軽な海外への足としての役割を拡大させる方針です。

 さらに、最大11時間のフライトが可能となる国内初導入機材A321XLRを2028年度に導入する予定であり、中距離路線の展開も視野に入れています。これについて遠藤氏は、A321XLRを活用してさらなる東南アジア路線の展開を検討していることを明かしたほか、国際線だけではなく国内においてもまだまだ新規開拓の余地があるとし、新たなリゾート路線の開設を検討していると語りました。

 また足元の経営環境に関しても遠藤氏は、昨今の中東情勢を背景とした燃料価格の高騰が懸念される中、同社は3年間のヘッジを効かせているため、即座に支障をきたすものではないと説明しました。加えて、直近の春の旅行需要も堅調に推移している状況であると述べています。Peachはこれらの取り組みと安定した事業基盤を通じて、内需と外需の両輪で国際競争力を高め、多様な移動ニーズの最大化と地域経済の持続的な成長を牽引していく考えです。

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