生産中止が発表されているエアバスのA380型機の最終機の組み立てが完了したことが明らかになりました。
最終機(MSN272)は今後エンジンの取り付けや地上テスト・飛行テストを実施する予定ですが、機体製造段階の最終工程となる組み立てが完了したことで、同機の製造に区切りがついたことになります。最終機はエミレーツ航空向けの機体となりますが、新型コロナウイルスの影響によりデリバリーは当初の予定よりも遅れることが想定されています。
A380は、2005年4月27日に初飛行を行い、最終的な生産数は251機となりました。同型機の2013年以降の新規受注は、エミレーツ航空の22機とANAの3機のみとなり、採算ラインを超える新規受注を得られることができず、A380neoの構想も取り止めとなり、2019年2月に生産中止が発表されました。
Moment to remember: the rollout of the last #Airbus #A380 from Station 40 with the A380 Team past and present, @GuillaumeFaury and Philippe Mhun at the Lagardère FAL today in Toulouse. What an aircraft! #iflyA380 #avgeek #Teamwork #Innovation pic.twitter.com/ch2mVG9Bcg
— Julie Kitcher (@julie_kitcher) September 23, 2020
現在は、新型コロナウイルスの影響によりA380を定期路線で運用しているのはエミレーツ航空と中国南方航空のみとなっているほか、エールフランス航空は全機を退役させ、他エアラインも退役検討するなど、超大型機故に需要減退時のリスクの大きさが露わになっています。
オペレーター側では多数の問題を抱えたものの、利用者側からすると大きな希望を与えてくれた機体だけに、生産中止が決まっているものの、未だに寂しさが残ります。