ルフトハンザグループの機材選定の責任者を2015年まで務めた Nico Buchholz 氏が海外紙aero.deのインタビューでルフトハンザ航空のA380について語りました。
同氏は、ルフトハンザドイツ航空が2001年に最初の10機のA380を発注した際に、これほど早くB787、A350、B777Xが開発に成功することは予想できなかったとし、結果としてこれらの機体の開発がA380の衰退を加速させたとしています。
A380が開発構想が始まった2000年以前は、特にエンジンの信頼性と推力に関しては、技術はそれほど進歩しておらず、当時A380は多くの人々を効率的かつ快適に、環境に優しく長距離輸送するための適切な開発であったとしています。しかしながら開発が遅れ、納入が始まった2007年には既にB787やA350の開発がはじまり、エンジン性能や機体において驚くべき進化を遂げ、ハブ空港を超えて直接目的地への路線が開設可能となったことから、大量輸送時代が終了し、A380とB747が活躍の場を失ったとしています。
また、ルフトハンザドイツ航空での運用においては、特に発着枠が限られていた成田路線などで効果があったとしましたが、突如羽田空港が再国際化されたことや、周辺アジアの上海・北京などでも空港が拡張されスロットに余裕が出たことで多頻度運航が可能となり、このような空港拡張事業も4発機が活躍の場を失うことになった理由の一つとしています。
今後の同機の予測に関しては、ルフトハンザドイツ航空は長くA380を運用しないと予想し、A380の中古市場はほとんどないこと、A380の部品は他機種に転用できないこと、完全な貨物機仕様に改修するのは難しことなどから、新型コロナウイルスの影響により地上駐機している半数以上のA380が退役になると予想しています。Photo : Lufthansa
ルフトハンザドイツ航空、本日8月1日より東京/羽田~ミュンヘン線の運航を再開 大阪/関西~ミュンヘン線の再開は9月に延期